みんなの歯学〜歯学部1年生でも理解できる!

上顎前方牽引装置〜プロトラクター

上顎前方牽引装置(プロトラクター)の使用時期や注意事項

上顎前方牽引装置(プロトラクター)とは

 

上顎前方牽引装置とは、上顎骨の前方への成長を促進する矯正装置で、プロトラクターとも呼ばれています。

 

顔面部を固定源とした顎整形力を上顎複合体に伝える装置です。

 

上顎前方牽引装置の構造

 

プロトラクターのの口腔外装置次の3つのパーツから構成されています。

 

@口腔外装置固定源

 

A上顎口腔内装置

 

B牽引用のゴムリング

 

口腔外装置(図1参照)

 

Aチンキャップタイプ

 

Bフェイスマスクタイプ

 

Cボウタイプ

 

図1

 

プロトラクターの口腔内装置は、以下のような種類が存在しており、症例に応じて使い分けます。

 

上顎口腔内装置(図2参照)

 

・固定式のリンガルアーチ(a・b)

 

・クワドヘリックス( c・d)

 

・床拡大装置(e・f)

 

・可撤式の床矯正装置

 

図2

 

牽引用のゴムリング

 

上顎前方牽引装置の効果

 

上顎前方牽引装置の効果は以下の通りです。

 

・上顎骨の前方への成長促進

 

・チンキャップタイプでは下顎の成長抑制も可能

 

上顎前方牽引装置の使用方法

 

上顎前方牽引装置は、以下の通り口腔内と口腔外にそれぞれ装置を装着します。

 

・口腔内 可撤式/固定式の装置を装着

 

・口腔外 チンキャップ/フェイスマスク → エラスティックをかけて上顎を牽引

 

上顎前方牽引装置の清掃方法

 

上顎前方牽引装置の清掃方法は以下の通りです。

 

・口腔外装置

 

→ 清潔な布巾やアルコールティッシュなどで汚れを除去

 

・口腔内装置

 

→ 念入りにブラッシング。特に奥歯に装着されたバンド付近は汚れが溜まりやすいためしっかり磨く

 

上顎前方牽引装置の適応時期

 

上顎前方牽引装置の適応時期は、乳歯列期から思春期前にかけてで、上顎の成長発育の旺盛な時期に治療を実施します。

 

・乳歯列期〜思春期前

 

・上顎の成長発育の旺盛な時期

 

上顎前方牽引装置の牽引力と牽引方向

 

上顎前方牽引装置の牽引力と牽引方向は以下の通りです。

 

牽引力

 

両側で400g前後(できるだけ長時間作用させる)

 

牽引方向

 

咬合平面を基準に前下方に牽引

 

【上顎前方牽引装置の注意事項】

 

上顎前方牽引装置の注意事項は以下の通りです。

 

・装置の破損、紛失時には歯科医師に連絡する

 

・睡眠時間も含めできるだけ長い時間、毎日使用する

 

・可撤式の床矯正装置はよく洗浄して清潔に保つ

 

・ゴムは毎日新しいものに交換

 

・慣れるまでは舌が少しヒリヒリ、舌に装置の跡がつくことも

 

・装置が気になっても舌や指で触らないように

 

・痛みが強いときは連絡 → 1週間程度は痛みや違和感がある

 

・はじめはしゃべりにくく、飲み込みにくい

 

・1日12時間以上(合計12時間以上でもよい)

 

・ゴムは自分ではめられるように練習

 

・装置を変形させないように注意

 

・来院するときは必ず装置を持参か装着

 

参考文献

 

『歯科矯正学』 第5版 医歯薬出版株式会社

 

 


ホーム RSS購読 サイトマップ
Home Sitemap Mail Company