みんなの歯学〜歯学部1年生でも理解できる!

ヘッドギアの構造と使用目的

ヘッドギア(上顎顎外固定装置)の構造と使用目的

ヘッドギア(上顎顎外固定装置)とは

 

ヘッドギアとは、小児の矯正治療に使われる固定装置です。

 

上顎顎外固定装置と呼ばれることもあり、文字通り、お口の中ではなく外に設置する、少し大がかりな矯正装置です。

 

基本的には、上顎の成長を抑えるために用いられます。

 

一般的なワイヤー矯正とは異なり、特殊なパーツによって構成されています。

 

ヘッドギアの構造

 

ヘッドギアは、以下の2つパーツによって構成されています。

 

・フェイスボー(インナーボー+アウターボー)

 

・ヘッドキャップ(ネックキャップ)

 

フェイスボーは、インナーボーとアウターボーによって構成されています。

 

口腔内には大臼歯環と頬面管(チューブ)が設置されており、ここにインナーボーが挿入されます。

 

この点は、リンガルアーチのような顎内の矯正装置とそれほど変わりがありません。

 

ヘッドキャップは、頭に装着す帽子(キャップ)のようなもので、アウターボーが装着されるパーツです。

 

このように、ヘッドギアというのは、ヘッドキャップ及びフェイスボーをいつでも取り外すことが可能です。

 

ただし、大臼歯にはめている装置は、取り外すことができません。

 

ヘッドギアの使用目的

 

ヘッドギアの使用目的は、以下の通りです。

 

・上顎骨前方成長抑制(→縫合成長を抑制する)

 

・下顎骨前方成長促進(→相対的に促進される)

 

・上顎大臼歯、上顎歯列弓の遠心移動

 

・上顎切歯の舌側移動

 

・上顎6番の圧舌、挺出

 

・加強固定(→大臼歯の近心移動を防止する)

 

・上顎歯列弓の拡大

 

このように、ヘッドギアというのは、切歯や大臼歯を移動するだけではなく、上下の顎骨の成長もコントロールすることができるのです。

 

こうしたバリエーションは、次に説明する牽引方向を変えることによって実現することが可能となります。

 

ヘッドギアの牽引方向

 

ヘッドギアの牽引方向は、以下のような図で示すことができます。

 

1. ハイ   2. バーティカル  3. ストレート  4. ロー

*左から1→2→3→4と並んでいます

 

 

 

それぞれの牽引方向によって、切歯や大臼歯に対して次のような効果を発揮します。

 

ハイプル high pull

 

1番、6番を圧下させる

 

バーティカルプル vertical pull

 

6番を圧下させる

 

ストレートプル straight pull

 

特になし

 

ロープル low (cervical) pull

 

6番を挺出させる

 

10時間理論とは

 

ヘッドギアを用いた治療では、10時間理論(Ten-Hour Force Theory)というものが提唱されています。

 

これは、固定装置の装着時間が10時間を超えた場合と、超えていない場合では、その効果に大きく影響するというものです。

 

具体的には、次の通りです。

 

○装着時間が10時間以上

 

→破骨細胞の活性がある

 

○装着時間が10時間以内

 

→破骨細胞の活性化がない

 

つまり、ヘッドギアの1回の装着が10時間以下であると、顎の移動しか行えないという理論です。

 

逆に、10時間以上装着すると、固定大臼歯遠心に破骨細胞が出現するため、歯の移動も行えると言えます。

 

そういったことから、大臼歯U級を改善するためには、固定装置を10時間以上連続して装着する必要があると言えるのです。


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