みんなの歯学〜歯学部1年生でも理解できる!

歯根嚢胞の原因と症状

歯根嚢胞の原因と症状

歯根嚢胞とは

 

歯根嚢胞とは、歯根肉芽腫に上皮の増殖を伴うことで出現する、袋状の物体です。

 

増殖した上皮は、袋の内側を構成します。

 

つまり、歯根嚢胞とは、上皮で裏装(リソウ)された病的空洞であるとも言えるのです。

 

ちなみにこの裏装上皮は、マラッセの上皮遺残(ジョウヒイザン)に由来しています。

 

歯根嚢胞の原因

 

歯根嚢胞の原因は、マラッセの上皮遺残への慢性的な炎症性刺激です。

 

具体的には、歯根肉芽腫に対して、さらに炎症性刺激が加わり続けることで発症します。

 

炎症性の刺激は、上皮組織を増生させるため、その結果として嚢胞が形成されるのです。

 

歯根嚢胞の症状

 

歯根嚢胞の症状は、次の通りです。

 

自発痛

 

なし

 

咬合痛・打診痛

 

軽微

 

根尖部圧痛

 

あり

 

根尖部歯肉の発赤・腫脹

 

軽微

 

エックス線所見

 

境界明瞭な透過像

 

リンパ節圧痛

 

なし

 

歯根肉芽腫瘍と歯根嚢胞の違い

 

上記の通り、歯根肉芽腫瘍と歯根嚢胞の症状というのは、非常に似通っています。

 

エックス線学的にも、両者を鑑別することはほぼ不可能です。

 

ただ、歯根嚢胞では、以下のような特有の症状が見られることがあります。

 

・根尖部の羊皮紙様感

 

・エックス線所見で白線が認められることが多い

 

・打診による歯根震とう

 

そこで、嚢胞穿刺を実施することで、確定診断へとつなげていくことができます。

 

嚢胞穿刺

 

歯根嚢胞では、嚢胞穿刺を行うと粘稠度の高い淡黄色の透明な滲出液を確認することができます。

 

この滲出液には、以下のような内容物が含まれています。

 

・コレステリン結晶

 

・多形核白血球

 

・リンパ球

 

・形質細胞

 

・上皮細胞

 

歯根嚢胞の病理学的所見

 

歯根嚢胞は、大きく3層に分かれています。

 

最も内側の層は、上記でも述べた通り、マラッセの上皮遺残由来の裏装上皮です。

 

次に、肉芽組織が存在し、最も外側は結合組織で構成されています。

 

つまり、病的空洞は裏装上皮によって覆われていることをチェックしておきましょう。

 

ちなみに、この病的空洞が形成される過程は、以下の2つに大別されます。

 

・盲嚢型

 

・真性嚢胞型

 

この違いについては、歯根嚢胞の成立機序のページで説明します。


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