身体的影響と遺伝的影響
放射線の影響は2つに分類できる
放射線による被曝は、その影響が誰に生じるかによって、次の2つに分類することができます。
・身体的影響
・遺伝的影響
身体的影響
放射線による身体的影響とは、放射線に被曝した本人に何らかの影響が出る場合を指します。
この身体的影響は、症状が現れる時期によって、次の2つに分類することができます。
・急性障害
・晩発性障害
急性障害
放射線による急性障害とは、被曝してから数週間以内に身体的影響が現れることを指します。
急性障害の症状は、体が吸収した放射線の量や、被曝した身体の部位に応じて異なります。
例えば、眼球に1.5グレイの放射線量を浴びると、白内障を発症する確率が非常に高まります。
晩発性障害
放射線による晩発性障害とは、被曝してから数ヶ月、あるいは数年後に身体的影響が現れることを指します。
具体的な症状としては、悪性腫瘍や白内障などを挙げることができます。
遺伝的影響
放射線による遺伝的影響とは、放射線に被曝した本人ではなく、その子孫に影響が出る場合を指します。
胎児が被曝したらどうなるの?
妊娠中の女性が被曝すると、その影響は胎児にまで及びます。
この時、女性の体に現れる症状は、身体的影響であるとすぐわかりますよね。
では、母体の中にいる胎児への影響は、一体どちらに分類されるのでしょうか。
答えは、身体的影響です。
しかも、胎児本人の身体的影響に分類されます。
遺伝的影響と考えがちですので、この点については注意しましょう。