みんなの歯学〜歯学部1年生でも理解できる!

アンキローシス(骨性癒着)

アンキローシス(骨性癒着)

アンキローシスとは

 

アンキローシス(ankylosis)とは、骨性癒着とも呼ばれる病態です。

 

文字通り、歯と骨とが結合してしまう状態を指します。

 

これはつまり、本来歯と骨の間に存在している歯根膜結合が消失して、硬組織と硬組織が直接つながってしまうことを意味します。

 

厳密に言えば、セメント質と歯槽骨が結合します。

 

好発部位は、臼歯です。

 

アンキローシスの原因

 

アンキローシスの主な原因は、外傷です。

 

交通事故などで歯に強い衝撃が加わることで、骨性癒着が生じます。

 

これは、局所的な炎症が長期間続くことで、歯根膜が損傷するためであると考えられます。

 

また、外傷などで歯が抜け落ちてしまい、再植処置を施した場合も、歯根膜が正常な状態に戻らず、アンキローシスを起こすことがあります。

 

アンキローシスの特徴

 

アンキローシスを起こした歯には、次のような特徴が現れます。

 

・歯槽硬線の消失

 

・叩くと金属音がする

 

・加齢によって相対的に低位となる

 

・対合歯は挺出する

 

・矯正による歯の移動が困難

 

・乳歯に起こると後続永久歯の萌出を妨げる

 

 

歯根膜がなくなれば骨組織として認識される!

 

アンキローシスでは、歯根膜が消失して、歯槽骨と結合します。

 

すると、体の方は歯を骨と同じものと認識するようになります。

 

その結果、置換性吸収(replacement resorption)という現象が起こるのです。

 

この置換性吸収というのは、骨のリモデリング(改造現象)と同じですから、骨もろとも吸収されていくこととなります。

 

 

アンキローシス(骨性癒着) 関連ページ

循環障害(虚血と充血とうっ血)
歯髄の変性
出血の種類
個々の歯の位置異常
歯の傾斜
歯の捻転(ネンテン)
逆生歯(ギャクセイシ)
移転歯(イテンシ)
上皮異形成の特徴と診断基準
サルコイドーシス(肉芽腫性疾患)
フォーダイス斑の症状と原因
歯髄の色素変性
肉芽組織(ニクゲソシキ)
石灰変性(セッカイヘンセイ)
硝子様変性(ショウシヨウヘンセイ)
空胞変性(クウホウヘンセイ)
脂肪変性(シボウヘンセイ)
退行性変化(タイコウセイヘンカ)
滲出機転(シンシュツキテン)
先天性梅毒による歯の形成不全(フルニエ歯・ハッチンソン歯)
ハッチンソン歯の症状と組織像
フルニエ歯(ムーン歯)の症状と組織像
過蓋咬合(カガイコウゴウ)〜ディープバイト
咬合異常(歯列不正)の種類と症状
交叉咬合(コウサコウゴウ)〜クロスバイト
開咬(カイコウ)〜オープンバイト
上顎前突(ジョウガクゼントツ)の症状と分類
下顎前突(カガクゼントツ)の症状と分類
切端咬合(セッタンコウゴウ)の原因と症状
パパニコロウ分類(細胞診)
中心結節(チュウシンケッセツ)
ピンク歯
口角炎・口角びらん・口角潰瘍
黄色環(カドミウムリング)
エプーリス
フェネストレーション
エナメル真珠・エナメル滴
化生(カセイ)

ホーム RSS購読 サイトマップ
Home Sitemap Mail Company