出血の種類
出血とは、血液の全ての成分が血管外にでることを指します。
「全て」というのがポイントで、例えば炎症反応などによって、血液成分の一部が組織へと漏れ出ていく現象は出血とは呼びません。
そんな出血は、血管外への流れ方によって、主に次の3つに分類することができます。
・破綻性出血
・濾出性出血
・出血性素因
それでは、個々の出血について、細かく見ていきましょう。
破綻性出血
破綻性出血とは、血管壁が破綻して、血液が外へと出てしまう現象です。
この破綻性出血には、3つの種類があります。
外傷性出血
外傷性出血とは、事故などによる外傷で、血管が傷つくことで生じる出血です。
侵蝕性出血
侵蝕性出血では、血管周囲の組織に腫脹や炎症性病変が生じることで、血管壁が侵蝕され、出血へと至ります。
血圧亢進性出血
血圧亢進性出血とは、血圧が高まることで、血液が血管外へ出てしまう現象です。
濾出性出血
濾出性出血とは、血管壁の破綻のない出血なので、外傷などが原因とはなりません。
血管内皮の接合部に隙間ができることで、そこから血液が漏れ出てしまうため、濾出ちおう名称が付けられています。
出血性素因
出血性素因は、外傷などの特別な刺激がなくても出血してしまう病態です。
一度出血が起こるとなかなか止血できないのも、この出血性素因の特徴です。
特定の疾患の症状として、出血性素因が現れることがあります。
喀血とは、気道からの出血を指します。
気道で起こった出血が口腔から体外へと出されます。
大量に喀血すると、気道が血液で満たされてしまうため、呼吸を行うことができなくなります。
そのため、窒息状態となり、死に至ることもあり得ますので、まずは気道確保することが優先されます。
吐血とは、上部消化管からの出血を指します。
具体的には、食道及び胃から出血し、口腔から体外へ血液が出されます。
喀血と吐血の違い
喀血と吐血の違いについては、上記の通りシンプルに考えましょう。
要は、出血する部位によって名称が変わっているだけです。
喀血は気道から、吐血は上部消化管から出血して、口腔から血液が排泄されます。
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