歯科国試過去問 94A-63
ミュータンスレンサ球菌について正しいのはどれか。
a. 生後一週間以内に口腔に定着する
b. 垂直感染はしない。
c. ショ糖から非水溶性グルカンを作る。
d. 高齢者の口腔には検出されない。
e. 齲窩には検出されない。
*解答はページの一番下に掲載しています。
ミュータンスレンサ球菌の感染経路と合成物
歯がなければ感染は起こらない
ミュータンス連鎖球菌は、歯に付着することで、感染を引き起こします。
ですので、歯が全く生えていない乳児や、無歯顎の高齢者には、ミュータンスレンサ球菌が感染していません。
一方、乳歯が萌出し始め乳幼児や、残存歯や義歯が装着されている高齢者には、ミュータンスレンサ球菌への感染が起こります。
ショ糖から菌体外多糖を合成する
ミュータンスレンサ球菌は、炭水化物に含まれているショ糖を利用して、非水溶性グルカンを産生します。
厳密には、ショ糖をグルコースとフルクトースに分解し、グルコースから非水溶性グルカンを作ります。
これが菌体外多糖と呼ばれるものです。
ミュータンスレンサ球菌の垂直感染とは
齲蝕の原因となるミュータンスレンサ球菌への感染は、主に垂直感染によって始まります。
母親の唾液を介して、乳幼児へと細菌が移っていくのです。
母と子で同じスプーンや箸を使ったり、食物を口移しで与えることで細菌が移動します。
感染時期は、1歳7ヵ月から2歳7ヵ月ごろが最も多いです。
これを感染の窓と呼びます。
解答
a ×
b ×
c ○
d ×
e ×