歯科国試過去問 96D-57
慢性歯肉炎のリスクファクターはどれか。(2つ)
a. 糖尿病
b. 高血圧
c. 心疾患
d. 飲酒
e. 喫煙
*解答はページの一番下に掲載しています。
慢性歯周炎の危険因子について
侵襲性歯周炎と慢性歯周炎
歯周炎は、侵襲性歯周炎と慢性歯周炎の2つに分けることができます。
侵襲性歯周炎は10〜30歳代の若年者に発症しやすい歯周疾患です。
一方、慢性歯周炎は、35歳以降に発症しやすい歯周疾患です。
歯周疾患を増悪させる全身疾患
次に挙げるような病気は、歯周疾患を増悪させることがあります。
・糖尿病
・AIDS
・内分泌異常
・白血病
・代謝性疾患
・骨粗しょう症
どれも全身の免疫機能を低下させるものばかりです。
つまり、歯周疾患というのは免疫機能と深い関わりのある病気といえます。
慢性歯肉炎のリスクファクターとは
慢性歯周炎のリスクファクターについて見ていきます。
慢性歯周炎は、歯槽骨や歯根膜などが破壊される病気で、歯周疾患の中でもかなり重症度が高いです。
そんな慢性歯周炎の主なリスクファクターは、糖尿病です。
糖尿病は、歯周組織の免疫機能を大きく低下させます。
その結果、歯周病の原因菌を活発化させてしまうのです。
その他、喫煙習慣も歯周組織の血行を悪くし、結果的に免疫機能を低下させますので、慢性歯周炎のリスクファクターとなりえます。
解答
a ○
b ×
c ×
d ×
e ○
補足
高血圧の治療薬として、ニフェジピンなどのカルシウム拮抗薬を使用することがあります。
こうした降圧剤は、歯肉増殖症を引き起こすことがありますが、高血圧自体が慢性歯周炎の直接的な原因になることはありません。
詳しくは「歯肉増殖症の原因となる薬剤」をご覧ください。
同様に、心疾患や飲酒習慣も、慢性歯周炎の直接的な原因には挙げられません。