みんなの歯学〜歯学部1年生でも理解できる!

歯を傷つけるホワイトニング(重曹)

強力な研磨効果! 重曹は歯質に無数の傷をつける

人体で最も硬いエナメル質にも傷はつく

 

歯科治療では、エナメル質を削る際に、ダイヤモンドの粉末がまぶしてあるバーを使うことがあります。

 

それだけに、ダイヤモンドと同等の硬さあると思われがちです。

 

実際は、それほどは硬くなく、衝撃の加わり方によっては簡単に欠けてしまいます。

 

また、毎日のブラッシングでも、歯質の表面には、肉眼では見えないような傷がついているのです。

 

・ダイヤモンドほど頑丈ではない

 

・ブラッシングでも傷がつく

 

重曹による歯のホワイトニング

 

キッチンのシンクなど、しつこい汚れが溜まりやすい場所には、重曹を用いて掃除することがありますよね。

 

その応用として、歯のホワイトニングにも、重曹を活用している方がいらっしゃいます。

 

実際に磨いてみるとわかりますが、確かに、通常の歯磨き粉よりも洗浄力が高いです。

 

それだけに、歯面のプラークや黄ばみなどを除去しやすいといえるでしょう。

 

ただ、気をつけて頂きたいのは、私たちの歯は、金属やセラミックではないということです。

 

歯のエナメル質も、人体で最も硬い組織とはいえ、有機質も含まれています。

 

また、絶えず脱灰と再石灰化という現象が起こっている、生きた組織なのです。

 

そこに重曹を用いてゴシゴシ洗うのは、とても危険なことだといえます。

 

・重曹の洗浄効果は強力

 

・歯質を金属やセラミックと同じように考えてはいけない

 

肉眼では見えない傷でも歯の健康を害する

 

重曹を用いて歯のホワイトニングを行えば、しばらくの間、その洗浄効果に満足することができるでしょう。

 

けれども、歯の表面に傷がつくと、そこにはプラークや着色性の物質が溜まりやすくなります。

 

すると、以前よりも早いサイクルで、歯が着色するようになるのです。

 

これでは、歯のホワイトニングとしては逆効果ですね。

 

また、歯質の表面に凹凸ができると、細菌が住みつきやすくなるため、虫歯や歯周病を誘発することにもなるのです。

 

・歯面の傷はプラークなどの堆積を促進する

 

・細菌が住みやすい環境を作ってしまう

 

ちなみに、虫歯は口腔レンサ球菌のうち、S.mutans (ミュータンス)とS.sobrinus(ソブリヌス)という細菌によって誘発されます。

 

研磨剤不使用の歯磨き粉が主流?

 

もし機会があれば、あなたが使用している歯磨き粉の成分表などをチェックしてみてください。

 

最近では、研磨剤を使っていない歯磨き粉が主流になりつつあります。

 

これは、研磨剤によって歯の表面を傷つけることが、いかに有害であるかを表しているのです。

 

ただ、ホワイトニング効果のある歯磨き粉には、研磨剤が含まれているものが多いです。

 

歯面の着色を落とすには、やはりある程度の研磨効果が必要となるからです。

 

だからといって、重曹による歯のホワイトニングはお勧めできません。

 

そうした研磨効果を期待するのであれば、厳密な計算のもとで製造されているホワイトニング歯磨き粉を使用しましょう。

 

重曹ほど強力な効果はないかもしれませんが、安心して使えることは間違いありません。

 

 

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