歯科材料の化学的刺激分類
歯科材料の生物学的性質は、化学的刺激がどのように生体に及ぶかによって、以下の4つに分類することができます。
・生体親和性材料(=生体不活性材料)
・生体内活性材料
・生体許容性材料
・細胞毒性材料
生体親和性材料と生体親和性材料は、同義語です。
生体親和性材料(=生体不活性材料)
生体親和性材料には、以下のものが挙げられます。
・セラミック
・アルミナ
・ジルコニア
・チタン
・カーボン
このうち、ジルコニアとチタンはインプラント治療で活用されています。
生体活性材料
生体活性材料には、以下のものが挙げられます。
・生体ガラス
・ハイドロキシアパタイト
・第3リン酸カルシウム(βTCP)
・第4リン酸カルシウム(4CP)
・ポリ乳酸(PLA)
・ポリグリコール酸(PGA)
このうち、第3リン酸カルシウム(βTCP)、第4リン酸カルシウム(4CP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)は生体崩壊性材料とも呼ばれることがあります。
生体崩壊性材料とは、材料が生体内で崩壊し、生体と反応して吸収されるという意味です。
つまり、吸収性の材料ということです。
生体許容性材料
生体許容性には、以下のものが挙げられます。
・ニッケル
・コバルト
・パラジウム
・残留モノマー
これらの材料は、アレルギー反応が起こらないよう工夫することで、歯科治療に活用することができます。
そのため「許容性」という言葉が用いられているのです。
細胞毒性材料
・アスベスト
・ベリリウム
・フッ素酸
・水銀蒸気
これらの材料は、明らかに生体にとって有害ではありますが、歯科治療のプロセスで発生する可能性があるため注意が必要です。
例えば、ベリリウムであれば、Ni-Cr溶解時に発生し、フッ素酸は陶材の溶解時やエッチングの際に発生します。
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