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菌交代現象と抗生物質

歯科国試過去問 104C-17

口腔常在菌微生物叢中の真菌の比率を増加させる可能性が高いのはどれか。(1つ)

 

a. 歯の萌出

 

b. 口腔清掃

 

c. 感染根管治療

 

d. 抗菌薬の長期内服

 

e. スクロースの頻回摂取

 

*解答はページの一番下に掲載しています。

菌交代現象とは

 

本来、大多数を占めている常在菌が何らかの原因で減少し、少数を占めていた微生物が大半を占めるようになる現象です。

 

その原因のひとつに、抗菌薬の長期使用が挙げられます。

 

抗菌薬は細菌に対して効果を持つ

 

抗菌薬は、文字通り細菌に対して薬剤の効果を発揮します。

 

一方、真菌に対しては効果を発揮しないものが多いです。

 

ですので口腔内においても、常在している細菌を減らすことはできますが、カンジダなどの真菌に対しては効果を発揮しません。

 

その結果、真菌やその他、抗菌薬が無効な細菌などが増殖して、菌交代現象が起こるのです。

 

菌交代現象を起こす微生物

 

菌交代現象を起こす微生物は、次の通りです。

 

・真菌 → カンジダ

 

・細菌 → 緑膿菌、MRSAなど

 

菌交代現象で見られる臨床所見

 

・黒毛舌

 

・口腔カンジダ症

 

・緑膿菌感染症

 

・MRSA感染症

 

 

解答

a ×

 

b ×

 

c ×

 

d 

 

e ×

 

補足

 

a → う蝕の原因菌を増やすことはある

 

b → 真菌に限らず、微生物全般を減らす

 

c → 真菌の増加とは無関係

 

e → 真菌の増加とは無関係

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