骨のリモデリング(改造現象)
骨という組織は、絶えず作り変えられています。
これを骨のリモデリングと呼びます。
具体的には、骨形成と骨吸収が繰り返されて、古い骨から新しい骨へと、徐々に生まれ変わっていくのです。
骨の改造現象は、5つのプロセスに分けることができます。
休止期、活性化期、吸収期、逆転期、形成期の順番で、リモデリングが進んでいきます。
休止期
休止期の骨は、骨芽細胞(骨を作る細胞)で覆われている。
ただし、これらの細胞は休止状態に入っているため、骨が作られることはありません。
活性化期
休止していた骨芽細胞が活性化される時期です。
きっかけとなるのは、骨吸収促進因子である活性型ビタミンDやPGE2などです。
骨芽細胞がこれらの刺激を受けると、破骨細胞活性化因子(ODF)を発現します。
すると、破骨細胞が成熟していくのです。
吸収期
成熟した破骨細胞が、骨の吸収を開始します。
骨縁へと誘導され、様々なタンパク質分解酵素を用いて、石灰化基質を破壊していきます。
逆転期
破骨細胞の働きにより、骨からBMPなどの成分が遊離していきます。
その結果、破骨細胞の分化や機能発現が抑制されていきます。
続いて、骨芽細胞の分化や機能発現が促進されていきます。
形成期
骨が吸収された跡である骨吸収窩に、骨芽細胞が誘導されます。
そこで、新しい骨が作られていきます。
骨のリモデリングでは、この5つのプロセスを延々と回っていきます。