ピンホールの原因と防止策
ピンホールとは
ピンホールとは、鋳造欠陥(チュゾウケッカン)の一種で、鋳造体の内層や表面近くに生じる小さな空孔です。
この空孔の大きいものは、ブローホールと呼びます。
ピンホールの発生部位
ピンホールの発生箇所は、主に鋳造体表層から1層下の部位です。
・鋳造体表層から1層下の部位
ピンホールが発生するメカニズム
鋳造時に埋没材に接触した表面が先に凝固し、溶湯の温度が下がるとともに、溶湯が吸蔵していたガスを放出します。
これは溶解度が小さくなるためです。
その結果、鋳造体の内層や表面近くに小さな空孔であるピンホールが生じるのです。
・鋳造時に埋没材に接触した表面が先に凝固
・溶湯の温度が下がると溶湯が吸蔵していたガスを放出
鋳造体の内層や表面近くに小さな空孔であるピンホールが生じる
ガスの選択吸蔵について
融解金属元素は、ガスを選択吸蔵します。
例えば、銀は酸素、パラジウムは水素などを選択的に吸蔵します。
ピンホールの防止策
ピンホールを防ぐには、真空(減圧)鋳造、またはアルゴンガス雰囲気下での鋳造が適しています。
大気中での溶解は、フラックスを使用して、融解金属と大気を遮断する必要があります。
・真空(減圧)鋳造
・アルゴンガス雰囲気下での鋳造