口腔レンサ球菌(streptococcus)
口腔レンサ球菌は、唾液や歯肉縁上プラーク、歯肉溝、舌背などに存在しているレンサ球菌です。
そのほとんどが通性嫌気性菌というという特徴を持っています。
代表的なものは、う蝕原性細菌と呼ばれているミュータンスレンサ球菌群です。
S.mutansとS.sobrinusの2つは必ず覚えておきましょう。
う蝕原性細菌
・S.mutans (ミュータンス)
・S.sobrinus(ソブリヌス)
口腔レンサ球菌には、幾つかの細菌群に分けることができます。
その中でも次の4つは重要といえます。
4つのレンサ球菌群
・ミュータンスレンサ球菌群
・ミティスレンサ球菌群
・サリバリウスレンサ球菌群
・アンギノーサスレンサ球菌群
それでは個々のレンサ球菌群について詳しく見ていきましょう。
ミュータンスレンサ球菌群
ミュータンスレンサ球菌は、主に歯肉縁上プラークや小窩裂溝で検出されます。
もしもそこに、う蝕病巣が存在していると、検出量が著しく増加します。
ミュータンスレンサ球菌は酸性環境に強い性質があるため、S.mutans (ミュータンス)とS.sobrinus(ソブリヌス)はう蝕原生細菌になり得ているのです。
・歯肉縁上プラークや小窩裂溝に生息
・う蝕病巣で著しい増殖が見られる
・酸性条件下に強い
ミティスレンサ球菌群
ミティスレンサ球菌群は、歯肉縁上プラーク、舌背、唾液、歯肉溝などに見られる細菌です。
代表的なのは、S.mitis(ミティス)とS.sanguinis(サングイニス)です。
・S.mitis(ミティス)
・sanguinis(サングイニス)
S.mitis(ミティス)は、歯周ポケットや感染根管から検出されることが多いです。
sanguinis(サングイニス)は、亜急性細菌性心内膜炎の患者さんの血液から検出される細菌でもあります。
サリバリウスレンサ球菌群
S.salivarius(サリバリウス)は、舌背や咽頭で検出される口腔センサ球菌です。
プラーク中ではほとんど検出されないのが特徴です。
唾液中のレンサ球菌の40〜60%を占めています。
アンギノーサスレンサ球菌群
口腔内の膿瘍から検出されるレンサ球菌です。
歯肉縁下プラークからも検出されます。