レッドコンプレックス(歯周病を重症化させる3菌種)
レッドコンプレックス(Red Complex)とは
レッドコンプレックスとは、口腔内に生息している細菌のうち、歯周病との関連性が最も高い3菌種を指しています。
次の3菌種がレッドコンプレックスです。
・Porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)
・Treponema denticola(トレポネーマ・デンティコラ)
・Tannerella forsythensis(タネレラ・フォーサイセンシス)
それぞれP.g菌、T.d菌、T.f菌と略されることが多いです。
レッドコンプレックスの特徴
Porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)
P.g菌は、慢性歯周炎の原因菌で、慢性歯周炎患者さんの歯周ポケットから、高頻度で検出されます。
付着する能力が非常に強いため、バイオフィルムの形成に役立っているといえるでしょう。
また、P.g菌の内毒素は、骨を溶かす作用があるだけではなく、口腔内で悪臭を放ちます。
歯周病の悪臭は、このP.g菌の内毒素が関与しているのです。
・慢性歯周炎の原因菌
・強力な付着力
・内毒素は悪臭を放つ
ちなみにこのP.g菌は、グラム陰性細菌で、黒色集落形成菌に分類されます。
Treponema denticola(トレポネーマ・デンティコラ)
T.d菌は、歯周病の病巣局所で増加が見られ、歯周組織の中や血管の中にまで侵入して増殖していきます。
Tannerella forsythensis(タネレラ・フォーサイセンシス)
T.f菌は、性腎性歯周炎の病巣局所見られる歯周病原生菌です。
紡錘状という特徴的な形態をしており、Fusobacteriu nucleatum(フソバクテリウム・ヌクレアータム)が周囲にいると、発育が促進されるという性質を持っています。
また、P.g菌と同様、内毒素によって歯周組織に悪影響をもたらします。