妊娠性歯肉炎の原因菌(P.intermedia)
妊娠性歯肉炎とは
妊娠すると、女性は歯周病に罹りやすくなります。
とりわけ、妊娠性歯肉炎を好発します。
これは、妊娠中に女性ホルモンの分泌が乱れることと、Prevotella intermedia(プレボテラ・インターメディア)という細菌の活動が活発化することが関係しています
P.intermedia(プレボテラ・インターメディア)の特徴
妊娠中は、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が亢進します。
厄介なことに、このエストロゲンはP.intermediaの発育を促進する働きがあるのです。
妊娠時には、歯肉溝滲出液にもエストロゲンが多量に含まれることになるため、歯周ポケットで生息しているP.intermediaの量も増えてしまいます。
その結果、歯肉の炎症を引き起こし、妊娠性歯肉炎の発症へと至るのです。
ちなみに、思春期の女性もエストロゲンの分泌が亢進するため、同様の機序によって歯肉炎を惹起しやすい傾向にあります。
この場合は思春期性の歯肉炎となります。
また、P.intermediaは壊死性潰瘍性歯肉炎の歯周ポケット内でも増殖傾向が強く、スピロヘータとともに、多量に検出されることがあります。
・エストロゲンにより発育が促進される
・思春期性あるいは妊娠性歯肉炎を惹起する
・壊死性潰瘍性歯肉炎の歯周ポケット内からも検出される