歯髄壊疽の原因と症状
歯髄壊疽とは
歯髄壊疽とは、歯髄が壊死した後に細菌感染が加わった病態です。
感染するのは嫌気性細菌(腐敗菌)であるため、歯髄腔内の物質を発酵させ、腐敗臭を放ちます。
歯髄が腐ってしまっているので、当然、それなりの臭いが出てきますよね。
歯髄壊疽の原因
歯髄壊疽の原因は、先ほど述べたように、嫌気性細菌への感染です。
嫌気性細菌は、酸素がある場所を嫌う傾向があるので、歯髄壊死を起こしているような歯髄腔は、非常に繁殖しやすい場所となっています。
化膿性歯髄炎から歯髄壊疽へと移行するものと、非感染性の歯髄壊死から移行するものとがあります。
歯髄壊疽の症状
歯髄壊疽の症状は、基本的に歯髄壊死の症状と同じです。
ただし、患者さんによっては咬合痛や温熱痛が生じることがあります。
また、他覚症状として歯の変色(黒褐色)と透明度の低下というものを挙げることができます。
その他、治療の過程で、髄室を開拡した際に、腐敗臭が発生します。
まとめると、以下の通りです。
・歯の変色(黒褐色)
・歯の透明度の低下
・髄室開拡時の腐敗臭
歯髄壊疽の経過
歯髄壊疽は、経過に応じて次の2つに分類することができます。
・単純性歯髄壊疽
・複雑性歯髄壊疽
単純性歯髄壊疽とは、根尖周囲組織に影響を及ぼしていない歯髄壊疽です。
複雑性歯髄壊疽とは、根尖周囲組織に影響を及ぼしている歯髄壊疽です。
ですので、複雑性歯髄壊疽の場合は、細菌感染が根尖にまで波及して、根尖性歯周炎を継発することがあります。