下顎張反射の意義とメカニズム
下顎張反射とは
下顎張反射とは、閉口反射の一種で、オトガイ部を叩くか、下顎を急激に引き下げることで生じます。
閉口筋が反射的に収縮し、閉口が起こる顎反射です。
そんな下顎張反射は、咬筋単シナプス反射と呼ばれることもあります。
・オトガイ部を叩くか下顎を急激に引き下げる
・閉口筋が反射的に収縮
・咬筋単シナプス反射(別名)
下顎張反射が起こる仕組み
下顎張反射は、閉口筋中の筋紡錘が引き伸ばされることによって起こる反射です。
筋紡錘からの求心性神経の細胞体は、三叉神経中脳路核に存在します。
この神経細胞の中枢突起が閉口運動ニューロンを興奮させ、閉口筋が収縮します。
この反射は脊髄反射における伸張反射と同等の反射であるといえます。
ただし、伸張反射には拮抗抑制が存在しますが、下顎張反射には拮抗抑制が存在しません。
つまり、閉口時には開口筋の抑制が起こらないのです。
・拮抗抑制がない
下顎張反射の存在意義
下顎張反射には、下顎に急激な外力が加わった際、不必要に開口しないよう安定させるという意義があると考えられています。
・不必要な開口を回避する