ポンティック基底面に求められる4要件
基底面形態に求められる4つの要件とは
ポンティックの基底面形態には、次の4つの要件が求められます。
・清浄性の維持
・咀嚼・構音機能の回復
・審美性の確保
・快適性の維持
ポンティックの清浄性は、次の2つによって維持されます。
・唾液、舌および頬の運動による自浄性
・ブラッシングによる清掃性
これらを達成するためには、ポンティック基底面形態と歯間空隙をどのように設定するかが重要となります。
基底面が欠損部に密着すると、炎症が起こりやすくなります。
ですので、接触面積はできるだけ小さくするか、欠損部と基底面に空間を形成すると、清浄性は高まるといえます。
また、使用する材料も清浄性に大きく関わってきます。
最も清浄性が高いのが陶材、次に金属、そしてレジンといった順番になっています。
陶材 > 金属 > レジン
咀嚼運動は、舌、口唇および頬が機能的に連動することで達成されます。
その際、ポンティックの頬舌面が食物の移送をスムーズに行えるような形態であることが重要となります。
構音機能に関しても、ポンティックの基底面形態が影響します。
できるだけ天然歯の形態に近い方が、構音機能を阻害しにくくなるといえます。
具体的には、前歯部の歯間空隙が大きいと、構音機能に悪影響が及ぶことが多いです。
・天然歯に近い基底面形態が良い
・前歯部の歯間空隙が大きいと悪影響を及ぼす
ポンティックで審美性を確保するためには、自然観のある形態が重要となります。
頬(唇)側面の豊隆、歯頸線、歯間空隙に自然観が現れるよう設定しなければなりません。
また、顎堤とポンティックの位置関係も最適な位置に設定する必要があります。
ちなみに顎堤は、次のような方向に吸収が進んでいきます。
・上顎 → 唇・頬側
・下顎 → 舌側
その他、審美性を確保するという点では、陶材を使用することがベストであるといえます。
ポンティックもブリッジの一部であり、常に口腔内に存在しているため、快適性が重要となります。
どれだけ機能的でも、不快感が強ければ補綴装置として欠陥があるといえます。
ブリッジ装着後に快適性を付与するためには、抜歯前の状態にどれだけ近づけることができるかが課題となります。
その条件として、次の2点を挙げることができます。
・歯間空隙は可及的に狭くする
・口蓋側からの立ち上がりは天然歯に近似した形態にする
以上の条件を満たすことで、抜歯で失われた形態を近似した形で回復することが可能となります。
ちなみに、ポンティックの基底部と欠損部が開き過ぎると、弄舌癖を誘発することがあります。
空隙があると、無意識のうちに舌を入れたくなるのです。
そういった点も考慮した上で、基底部の空隙は設定する必要があります。
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