みんなの歯学〜歯学部1年生でも理解できる!

フッ化物の全身応用

フッ化物の全身応用

フッ化物は、う蝕予防に効果があります。

 

フッ化物を作用させることにより、歯質の強化へとつながるのです。

 

そんなフッ化物のう蝕予防には、全身応用局所応用の2種類があります。

 

ここでは、全身応用について説明していきます。

 

水道水フッ化物濃度調整(フロリデーション)

 

水道水フッ化物濃度調整は、フロリデーションとも呼ばれています。

 

従来の上水道フッ素化と呼ばれた方法です。

 

ただし、とにかく水源にフッ化物を添加するわけではありません。

 

なぜなら「濃度調整」という言葉が表しているように、水道水のフッ化物濃度を適正な範囲に調整することが、フロリデーションの目的だからです。

 

ですので、フッ化物の濃度が適正なものであれば、改めてフッ化物を加えるようなことはしません。

 

ちなみに、水道水に添加されるフッ化物には以下のようなものがあります。

 

ケイフッ化ナトリウム

 

ケイフッ化水素

 

フッ化ナトリウム

 

飲料水の至適フッ化物濃度

 

飲料水の至適フッ化物濃度は、国や地域によって異なっています。

 

これは、それぞれの地域の年間平均気温食品からのフッ化物摂取量を踏まえる必要があるからです。

 

例えば暑い国では、日頃から沢山の水道水を摂取することになり、必然的にカラダに摂り込むフッ化物の絶対量も増えてきます。

 

こういったケースでは、至適フッ化物濃度を低く設定する必要が出てきます。

 

WHO、米国、日本が定めている、それぞれの至適フッ化物濃度は以下の通りです。

 

WHO 0.7〜1.0ppm

 

米国 0.7〜1.2ppm

 

日本 0.8ppm(上限)

 

 

食品への添加・フッ化物錠剤

 

食品へのフッ化物の添加

 

食品に添加されるフッ化物の量は、以下の値が適当であると考えられています。

 

食塩 200ppm

 

ミルク 5ppm

 

食塩の濃度が飛び抜けて高いのは、摂取量の違いからであると考えられる。

 

フッ化物錠剤による補給

 

フッ化物錠剤は、フッ化物の摂取が不足している場合の補給法として用いられます。

 

摂取量は、以下のように、年代に応じて変化します。

 

幼児期 0.5mg/日

 

学童期 1.0mg/日

 

 

フッ化物の全身応用は「歯冠形成」を促す処置!

 

ではそもそも、フッ化物はどういった目的で、全身応用されているのでしょうか。

 

フッ化物の局所応用は、文字通り歯面を局所的に強化させる目的があります。

 

ですので、成人後も定期的にフッ化物歯面塗布などを受ける人も多いかと思います。

 

一方、全身応用は歯冠完成期に施されることが多いです。

 

先ほど、フッ化物錠剤の摂取量に関して、幼児期と学童期の値を明示したのはそのためです。

 

つまり、フッ化物の全身応用は、歯冠が正常に形成されるようサポートしてくれるものであるとお考えください。


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