唾液の性質
通常、お口の中には混合唾液(全唾液)と呼ばれるものが存在しています。
混合唾液というのは、複数の唾液線から分泌された唾液が混ざりあったものです。
具体的には、三大唾液線である耳下腺、顎下腺、舌下腺に加え、小唾液腺から分泌された唾液が混合されています。
ちなみに、口腔内の唾液には、歯肉溝滲出液や微生物、それから粘膜剥離上皮なども存在しているが、混合唾液にはこれらは含まれません。
食事も運動もせず、安静にしている時に分泌される唾液を安静時唾液と呼びます。
私たちの体は、外部から刺激を受けなくても、絶えず唾液を分泌しているのです。
ちなみに、美味しそうな食べ物を見たり、口に入れた際に分泌される唾液を刺激唾液と呼びます。
安静時の混合唾液
安静時の混合唾液の以下の通り、顎下腺唾液が大半を占めることとなります。
顎下腺唾液 65%
耳下腺唾液 25%
舌下腺唾液 5%
小唾液腺由来 5%
刺激時の混合唾液
刺激唾液の場合は耳下腺唾液の分泌量が増加して、40〜50%を占めるようになります。
耳下腺唾液 40〜50%
唾液が分泌される速度は、安静時と刺激時で大きく異なります。
安静時 0.4ml/分
刺激時 2〜4ml/分
このように、刺激を加えると唾液の分泌速度は5〜10倍になるのです。
唾液の粘稠度
3つの大唾液腺から分泌される唾液の粘稠度は、それぞれ異なります。
耳下腺 漿液腺
顎下腺 漿液腺 + 粘液腺
舌下腺 粘液腺
漿液腺は、サラサラとした唾液が分泌されます。
粘液腺は、文字通りベトベトした唾液が分泌されます。
ですから、耳下腺はサラサラ、舌下腺はベトベト、顎下腺はその中間といった感じです。
ちなみに安静時は顎下腺からの分泌が主になります。
一方、刺激時は耳下腺からの分泌が主になります。