みんなの歯学〜歯学部1年生でも理解できる!

組織学

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(随時更新中)

組織学記事一覧

歯の萌出のメカニズム

歯槽骨の中に埋まっている歯は、どういったメカニズムで萌出していくのでしょうか。そこには主に、3つの力が働いているとお考え下さい。歯根膜線維が歯を引っ張り上げる歯根膜線維は、歯根にあるセメント質と固有歯槽骨とを結合しています。歯と骨をつなぐ役割を果たしているのです。ですから、歯の根元に歯根膜線維が形成...

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象牙質橋(デンティンブリッジ)の構造

象牙質橋(デンティンブリッジ)とは象牙質橋はデンティンブリッジとも呼ばれる硬組織で、生活歯髄切断後に生じます。冠部歯髄を切断した後、歯根部歯髄を温存するために作られる組織です。歯髄壊死直下に生じる生活歯髄切断法で用いられる水酸化カルシウム糊剤を歯髄創面に貼すると、表在性の凝固壊死が起こります。その結...

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第二象牙質と第三象牙質の違い

象牙質は3種類ある象牙質は、以下のように3つに分類することができます。・原生象牙質・第二象牙質(生理的第二象牙質)・第三象牙質(病的第二象牙質)原生象牙質は、歯根が完成されるまでに形成された象牙質で、歯の大部分を占めています。一方、第二象牙質と第三象牙質は歯根完成後に形成される象牙質です。ここで気に...

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第二象牙質(生理的第二象牙質)

第二象牙質とは第二象牙質(secondary dentin)とは、歯根が完成した後に形成される象牙質です。生理的第二象牙質と呼ばれることもあり、文字通り生理的条件下で形成が促されます。つまり、加齢に伴って形成されていくため、誰にでも生じるものだとお考えください。第二象牙質が形成されるのは、歯髄腔内で...

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第三象牙質(修復象牙質・補綴象牙質・病的第二象牙質)

第三象牙質とは第三象牙質(tertiary dentin)とは、歯根が完成された後に形成される象牙質です。この点は第二象牙質と全く同じなのですが、形成される原因が異なります。その原因の違いは、第三象牙質が病的第二象牙質と呼ばれていることからも伺い知ることができます。第三象牙質の形成要因第三象牙質は次...

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象牙質粒(ゾウゲシツリュウ)

象牙質粒とは象牙質粒(denticle)とは、高齢者の歯髄によく見られる硬組織です。歯髄結石とも呼ばれ、加齢に伴って形成される象牙質とお考えください。第二象牙質や第三象牙質との違いは、その形態が粒(瘤)状であるという点を挙げることができます。また、形成される部位にも特徴があります。形成部位による分類...

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不整象牙質(不正象牙質)

不整象牙質とは不整象牙質とは、加齢に伴って形成される、不完全な象牙質です。硬組織が外傷などで欠損したり、病的な刺激によって形成されるものではありません。形成される原因が加齢と聞くと、第二象牙質を思い浮かべてしまいますが、組織学的には第三象牙質に特徴が似ています。ですので、原生象牙質よりも未分化である...

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マラッセの上皮遺残(ジョウヒイザン)

マラッセの上皮遺残とはマラッセの上皮遺残(Malasse epithelial rests)とは、ヘルトヴィッヒ上皮鞘が小塊状に分断されたものです。歯根が完成されたのちも歯小嚢付近に存在し続けているため「遺残」という名前が付けられています。大雑把に表現すると、歯根形成時に不要となった上皮組織の残骸と...

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先天性ナスミス膜(歯小皮)

先天性ナスミス膜(歯小皮)とは先天性ナスミス膜とは、エナメル質表面を覆う、耐酸性有機性薄膜です。歯小皮と呼ばれることもあります。この膜は、歯が萌出すると、間もなく消失します。対合歯の接触による摩耗で失われるケースがほとんどです。・エナメル質表面の耐酸性有機性薄膜・ナスミス膜=歯小皮・萌出後に消失エナ...

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ハウシップ窩

ハウシップ窩とはハウシップ窩とは、破骨細胞や破歯細胞によって分解・吸収された骨および歯の凹みです。破骨細胞や破歯細胞は、酸や加水分解酵素を分泌して、骨や歯の石灰化成分を分解・吸収します。その時できる吸収窩がハウシップ窩です。・破骨細胞や破歯細胞の活動で生じる・酸や加水分解酵素による石灰化物の分解、吸...

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破歯細胞(ハシサイボウ)

破歯細胞とは破歯細胞とは、歯が吸収される際に現れる細胞で、英語で はodontoclast(オドントクラスト)といいます。ハウシップ窩を形成する、多核巨細胞です。細胞質内には、多数のミトコンドリアも確認できます。・歯が吸収される際に現れる細胞・odontoclast(オドントクラスト)・ハウシップ窩...

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ホスホホリン(象牙質リンタンパク質)

ホスホホリンとはホスホホリンとは、象牙質に含まれる非コラーゲン性のタンパク質です。象牙質リンタンパク質とも呼ばれています。・象牙質に含まれる非コラーゲン性のタンパク質・象牙質リンタンパク質(別称)ホスホホリンの特徴ホスホホリンは、象牙質に含まれる非コラーゲン性タンパク質の約60%を占めています。構成...

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歯乳頭(シニュウトウ)

歯乳頭とは歯乳頭とは、外胚葉性間葉に由来する組織です。歯胚のエナメル器陥凹部を満たす間葉組織で、象牙質と歯髄に分化します。・外胚葉性間葉に由来・歯胚のエナメル器陥凹部を満たす組織・象牙質と歯髄に分化歯乳頭の分化歯乳頭の間葉細胞のうち、エナメル器に近接している部位の細胞は、内エナメル上皮の誘導を受けて...

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シャーピー線維

シャーピー線維とはシャーピー線維とは、歯根膜の主な構成線維である主線維がセメント質と歯槽骨へと埋入した部分を指します。そのため、歯根膜にはシャーピー線維が存在しません。そんなシャーピー線維は、貫通線維と呼ばれることもあるコラーゲン線維の束です。・歯根膜の主線維がセメント質と歯槽骨へと埋入した部分・歯...

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管周象牙質(カンシュウゾウゲシツ)

管周象牙質とは管周象牙質とは象牙細管に面して存在する環状の象牙質層です。管間象牙質と比較して、アパタイト結晶の密度が高く、より高度に石灰化しています。また、加齢に伴って、二次的にアパタイト結晶が象牙細管内面に沈着するため、管内象牙質(カンナイゾウゲシツ)と呼ばれることもあります。・象牙細管に面して存...

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管間象牙質(カンカンゾウゲシツ)

管間象牙質とは管間象牙質とは、象牙細管の間を構成する象牙質です。・象牙細管の間を構成する象牙質象牙細管と管間象牙質象牙細管は、内腔を象牙芽細胞突起と組織液で満たされており、その内壁は石灰化物の二次的な沈着によって、石灰化度の高い薄層(管周象牙質)を形成しています。従って、管間象牙質は、管周象牙質の間...

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オキシタラン線維

オキシタラン線維とはオキシタラン線維とは、幼若あるいは特殊化した弾性線維です。口腔領域では、歯根膜、歯髄、歯肉などに存在しています。・幼若あるいは特殊化した弾性線維・歯根膜、歯髄、歯肉などに存在するオキシタラン線維の機能明確な機能はわかっていませんが、歯根膜ではセメント質に侵入するものが存在したり、...

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副根管(フクコンカン)

副根管とは副根管とは、主根管から分かれた枝で、発生部位に応じて髄冠、根管側枝、根尖分岐などと名称も変わります。主根管から分かれた枝副根管の種類・髄管(ズイカン)・根管側枝・根尖分岐(コンセンブンキ)髄管髄管は、大臼歯の髄床底から根分岐部の歯根膜とを結んだ副根管です。根管側枝根管側枝には、管間側枝とい...

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樋状根(トイジョウコン)

樋状根とは樋状根とは、下顎大臼歯の2根の癒合途中の形態で、近心根と遠心根の頬側のみが癒合したものです。舌側には、深い溝がみられます。・下顎大臼歯の2根の癒合途中の形態・近心根と遠心根の頬側のみが癒合したもの・舌側に深い溝がみられる樋状根の好発部位樋状根は、下顎第二大臼歯の約3分の1に、下顎第三大臼歯...

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髄管(ズイカン)

髄管とは髄管とは、臼歯の髄床底部に生じる副根管です。あるいは、根管側枝の一種といえます。・臼歯の髄床底部に生じる副根管髄管の特徴髄室内の感染内容物が髄管を介し、根分岐部の歯周組織に炎症を引き起こすことがあります。・髄室内の感染内容物が髄管を介し根分岐部へ漏出歯周組織に炎症を引き起こすX線写真上で根分...

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根尖分岐(コンセンブンキ)

根尖分岐とは根尖分岐とは、根尖側1/3付近で主根管から分かれた根管の細い枝です。副根管(フクコンカン)の一種で、歯根表面に開口します。・根尖側1/3付近で主根管から分かれた細い根管・副根管の一種・歯根表面に開口根尖分岐が生じるメカニズム根尖分岐は、歯の発生段階のうち、歯根形成終盤の根尖部形成中に、太...

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レチウス線条

レチウス線条とはレチウス線条とは、エナメル質の研磨標本を、光学顕微鏡で観察した際に見られる多数の並行に走る褐色線条です。エナメル小柱の横紋が、周期的に石灰化不良に陥いることで出現します。そのため、横紋とともにエナメル質の成長線とみなされています。・エナメル質の研磨標本で並行に走る多数の褐色線条・エナ...

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オーエンの外形線

オーエンの外形線とはオーエンの外形線とは、歯冠象牙質の表層近くにみられ、象牙質の外形にほぼ平行して走る不規則な石灰化不全の線条構造です。解剖学者のOwenによって最初に記載されたことから、オーエンの外形線と名付けられました。成長線のひとつとして考えられていますが、周期性はありません。・歯冠象牙質の表...

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象牙質歯髄複合体

象牙質歯髄複合体とは象牙質歯髄複合体とは、象牙質と歯髄が一体化した組織とみなす概念です。デンティン-パルプコンプレックスと呼ばれることもあります。・象牙質と歯髄が一体化した組織とみなす概念・デンティン-パルプコンプレックス象牙質歯髄複合体の名前の由来象牙質と歯髄は、発生段階から同じ間葉系由来組織の歯...

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咀嚼粘膜(ソシャクネンマク)

咀嚼粘膜とは・歯肉と硬口蓋にみられる粘膜・表面は角化、錯角化した重層扁平上皮・粘膜は下層にある骨に強く付着・粘膜下組織は存在しない咀嚼粘膜とは、歯肉と硬口蓋にみられる粘膜です。表面は角化、もしくは錯角化した重層扁平上皮からなります。歯肉や硬口蓋正中部にある口蓋縫線では、粘膜は下層にある骨に強く付着し...

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メッケル軟骨

メッケル軟骨とは・第一鰓弓に発生・棒状の軟骨・胎児の下顎の第一義的な構造を作る・一部はツチ骨、キヌタ骨になるメッケル軟骨とは、第一鰓弓に発生する棒状の軟骨です。胎児の下顎の第一義的な構造を作ります。メッケル軟骨の特徴胎生6週中にメッケル軟骨の外側で、間葉の増殖が起こり、新たに下顎骨の原基が発生します...

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星状網(セイジョウモウ)

星状網とは星状網とは、歯胚の上皮成分であるエナメル器の構成要素です。エナメル髄と呼ばれることもあります。・歯胚の上皮成分であるエナメル器の構成要素・エナメル髄(別名)星状網の特徴エナメル器は、内外のエナメル上皮と、これらの間に介在する星状網から成ります。星状網を構成する細胞は、上皮組織としては例外的...

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エナメル髄

エナメル髄とはエナメル髄とは、歯胚の上皮成分であるエナメル器の構成要素のひとつです。一般的には、星状網と呼ばれています。詳細については、星状網(セイジョウモウ)のページをご覧ください。 ツイート

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ヘルトヴィッヒ上皮鞘

ヘルトヴィッヒ上皮鞘とは・エナメル器由来の上皮性の構造物・上皮鞘に接する細胞を象牙芽細胞に誘導ヘルトヴィッヒ上皮鞘とは、エナメル器由来の上皮性の構造物です。ヘルトヴィッヒ上皮鞘の特徴ヘルトヴィッヒ上皮鞘は、歯冠部のエナメル質、象牙質の形成がほぼ終了した頃、エナメル器の自由縁から内・外エナメル上皮が密...

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トームス突起

トームス突起とはトームス突起とは、形成期エナメル芽細胞の遠心端に出現する突起です。エナメル基質形成のほぼ全期間にわたってみられます。・形成期エナメル芽細胞の遠心端に出現する突起・エナメル基質形成のほぼ全期間で認められるちなみに、トームス線維とは別物です。エナメル小柱の形態を規定トームス突起の出現が、...

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トームス線維

トームス線維とはトームス線維とは、象牙芽細胞の突起で、象牙細管の中に存在します。・象牙芽細胞の突起・象牙細管の中に存在トームス突起とは別物です。トームス線維の特徴トームス線維における突起の内部には、細胞骨格を形成する多数の微細管や微細糸、少数のミトコンドリア、小胞などが含まれています。突起の起始部で...

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トームス顆粒層

トームス顆粒層とはトームス顆粒層とは、歯根象牙質表層に存在する低石灰化帯です。研磨切片を光学顕微鏡で観察すると、不規則な形状の小顆粒が層状に並んで見えます。・歯根象牙質表層に存在する低石灰化帯・光学顕微鏡では不規則な形状の小顆粒が層状に並んで見えるトームス顆粒層の特徴トームス顆粒層は、象牙細管末端部...

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外套象牙質(ガイトウゾウゲシツ)

外套象牙質とは・最も早い時期に形成される象牙質・歯冠部においてエナメル質に近接している・厚さは約150μm外套象牙質とは、歯冠部においてエナメル質に近接した、厚さ約150μmの象牙質です。象牙質形成の最も早い時期に形成されます。外套象牙質よりも深層に形成される髄周象牙質との間に、明瞭な境界は認められ...

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無小柱エナメル質

無小柱エナメル質とは・小柱構造を欠くエナメル質・最深層部と最表層部に存在無小柱エナメル質とは、小柱構造を欠くエナメル質で、最深層部と最表層部に存在しています。無小柱エナメル質が生じるメカニズムエナメル質の小柱構造は、エナメル質基質形成期のエナメル芽細胞が、トームス突起を形成することにより生じるもので...

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