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病理学

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病理学記事一覧

循環障害(虚血と充血とうっ血)

循環障害には、主に以下の3つの症状が存在しています。どれも聞き慣れた言葉なのですが、その意味するところはかなり異なります。・虚血(きょけつ)・充血・うっ血*充血とうっ血の違いについては、歯髄充血の原因と症状のページで、わかりやすく説明しています。虚血(きょけつ)虚血では、体の一部で血液の供給が減少、...

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歯髄の変性

歯髄の変性とは歯髄の変性とは、歯髄組織に様々な病的変化が生じることです。その多くは、組織や細胞内に、異常な物質が蓄積して、最終的に歯髄の変性を起こします。歯髄変性の種類歯髄変性には、以下のような種類が存在しています。この中で、臨床的に最も多く見られるのは、空胞変性と石灰変性です。・空胞変性・硝子様変...

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出血の種類

出血とは出血とは、血液の全ての成分が血管外にでることを指します。「全て」というのがポイントで、例えば炎症反応などによって、血液成分の一部が組織へと漏れ出ていく現象は出血とは呼びません。そんな出血は、血管外への流れ方によって、主に次の3つに分類することができます。・破綻性出血・濾出性出血・出血性素因そ...

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個々の歯の位置異常

個々の歯の位置異常とは歯の位置異常には、個々の歯に限定されているものと、数歯にわたるものとがあります。いずれにせよ、歯の位置異常があると、審美障害、咬合異常、咀嚼機能の低下、発音障害、口腔清掃不良といった症状を引き起こしますので注意が必要です。・審美障害・咬合異常・咀嚼機能の低下・発音障害・口腔清掃...

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歯の傾斜

歯の傾斜とは歯の傾斜は、歯の位置異常の一種です。歯軸が正常な位置よりずれている状態です。ですから文字通り、歯が斜めに傾いています。歯の傾斜には、唇(頬)側または舌側、あるいは近遠心的に傾くという、様々なケースがあります。それぞれ、唇側傾斜、頬側傾斜、舌側傾斜という名称が付けられています。・唇側傾斜・...

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歯の捻転(ネンテン)

歯の捻転とは歯の捻転とは、歯がねじれて生えている状態です。難しく表現すると、次のようになります。・歯軸を中心として回転している状態の歯歯の捻転の好発部位歯の捻転は、上顎中切歯に見られることが多いです。その他、上下顎の小臼歯に生じることも多々あります。・上顎中切歯・上下顎小臼歯歯の捻転の原因歯の捻転の...

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アンキローシス(骨性癒着)

アンキローシスとはアンキローシス(ankylosis)とは、骨性癒着とも呼ばれる病態です。文字通り、歯と骨とが結合してしまう状態を指します。これはつまり、本来歯と骨の間に存在している歯根膜結合が消失して、硬組織と硬組織が直接つながってしまうことを意味します。厳密に言えば、セメント質と歯槽骨が結合しま...

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逆生歯(ギャクセイシ)

逆生歯とは逆性歯(inversion)とは、歯が正常とは逆向きに萌出している場合を指します。イメージしにくいかもしれませんが、上下が全く逆に生えているのです。つまり、歯冠と歯根が逆向きということです。ただ、ほとんどのケースで顎骨の中に埋まっていますので、厳密には萌出はしていません。具体例を挙げると、...

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移転歯(イテンシ)

移転歯とは移転歯とは、歯の萌出する位置が隣在歯と逆になっているものを指します。異所萌出と呼ばれることもあります。移転歯の原因移転歯の原因は次の通りです。・歯胚の位置異常・萌出部位の不足・歯と歯槽骨との骨性癒着(アンキローシス)移転歯の好発部位移転歯の好発部位は次の通りです。・上顎犬歯と上顎第一小臼歯...

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上皮異形成の特徴と診断基準

WHOが提唱する上皮異形成の変化13項目WHOはに、上皮異形成において確認することができる細胞の変化を以下の13項目にまとめました。そのままの表現で記載しているため、少し難解な部分がありますがご了承ください。臨床の現場では、この13項目を白板症や紅板症の病理組織学的評価に活用しています。1)基底細胞...

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サルコイドーシス(肉芽腫性疾患)

サルコイドーシスsarcoidosis)とはサルコイドーシスとは、原因不明の類上皮肉芽腫性疾患の総称です。サルコイドーシスという言葉自体が聞き慣れないものなので、暗記しづらいことでしょう。そこで、、サルコーマ(sarcoma)が肉腫という意味であることを知れば、覚えやすくなるかと思います。口腔領域で...

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フォーダイス斑の症状と原因

フォーダイス斑とはフォーダイス斑とは、口腔粘膜に発生する異所性の皮脂腺です。本来、口腔内に皮脂腺は存在していませんので、異所性という名称が付けられています。フォーダイス斑の症状フォーダイス斑では、頬粘膜や口唇に境界明瞭な顆粒状黄色斑が見られます。黄色い点状のシミみたいなものです。具体的には、両側の頬...

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歯髄の色素変性

歯髄の色素変性とは歯髄の色素変性とは、何らかの原因で歯髄に色素が沈着する現象です。色素変性の原因には、外因性のものと内因性のものとがあります。外因性のものは、歯科治療における亜ヒ酸の長期間貼付です。亜ヒ酸が歯髄に黒い色素として沈着していきます。内因性のものは、血鉄素(ヘモジデリン)や類血素(ヘマトイ...

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肉芽組織(ニクゲソシキ)

肉芽組織(granulation tissue)は、創傷治癒の過程で現れる、血管に富んだ組織です。外傷などによって結合組織に欠損が生じた場合に、永久的組織補填を行うために形成されます。ちなみに、慣用的には「ニクゲソシキ」と呼ばれますが、「ニクガソシキ」と呼んでも日本語として間違ってはいません。そんな...

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石灰変性(セッカイヘンセイ)

石灰変性とは石灰変性とは、結合組織に石灰塩が沈着する病態です。歯の場合、根部歯髄によく現れ、加齢とともに増加します。歯髄における石灰変性は、異栄養性石灰化であり、重症化すると根管の大半が閉鎖されるケースもあります。 ツイート

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硝子様変性(ショウシヨウヘンセイ)

硝子様変性とは硝子様変性とは、結合組織線維がまるで硝子(ガラス)のような構造に変化することです。これを均一無構造の硝子質と呼びます。歯においては、歯髄に分布している神経や血管の周りに、この硝子質が沈着して、ガラスのようなツルツルとした外観を呈するようになります。硝子様変性は、網様委縮に伴って生じるこ...

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空胞変性(クウホウヘンセイ)

空胞変性とは空胞変性とは、細胞内および細胞間に空胞を形成する病態です。歯の場合は、象牙芽細胞や歯髄細胞に、この変性が見られます。これらの細胞内に液体が貯留して空胞を形成していくようになります。空胞とは、泡のようなものですね。そのサイズは大小様々です。空胞の数が増えると、細胞内の核が端に追いやられるよ...

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脂肪変性(シボウヘンセイ)

脂肪変性とは脂肪変性とは、細胞内に脂肪滴が過剰に貯留する病態です。ちなみに、正常な象牙芽細胞や歯髄細胞にも、この脂肪滴は存在しています。それが加齢に伴って増加し、病的な状態となったものが脂肪変性です。加齢以外でも、以下のようなケースで脂肪変性が生じることがあります。・過コレステリン血症・慢性う蝕の外...

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退行性変化(タイコウセイヘンカ)

退行性変化とは退行性変化とは、細胞や組織に生じる変性や壊死を指します。細胞や組織そのものが変性したり、様々なものが沈着したりすることで病的な状態へと進んでいきます。このような病的な方向への変化を、退行性変化と呼びます。 ツイート

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滲出機転(シンシュツキテン)

滲出機転とは滲出機転とは、血液が血管内から血管外へと流出する現象です。漏れ出ていくのは、主に血漿成分です。その中には、血球成分も含まれています。炎症が起こっている場所へと血球を運び、ダメージを受けている部分を治そうとする反応と言えます。滲出機転のメカニズム炎症が生じると、まず微小循環の変化が生じます...

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先天性梅毒による歯の形成不全(フルニエ歯・ハッチンソン歯)

先天性梅毒とは先天性梅毒は、胎児期に母体が梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)に感染することで発症する病気です。いわゆる「胎児病」と呼ばれるものの一種です。出生時に症状が現れるものを新生児型、7〜8歳の青年期に症状が現れるものを晩期型といいます。・母体の梅毒トレポネーマ感染が原因...

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ハッチンソン歯の症状と組織像

ハッチンソン歯とはハッチンソン歯(Hutchinson's tooth)は、先天性梅毒による歯の形成不全です。エナメル質の形成不全により、上顎中切歯に半月状の欠損が生じます。母体が梅毒トレポネーマに感染することで、その影響が胎児にも及びます。ハッチンソンといえば、ハッチンソンの3徴候が有名ですね。ハ...

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フルニエ歯(ムーン歯)の症状と組織像

フルニエ歯とはフルニエ歯(Fournier's tooth)とは、先天性梅毒によって形成不全を起こした臼歯のことです。エナメル質の石灰化不全により生じます。ムーン歯(Moon's tooth)とも呼ばれていますが、どちらも同じ意味で、人名が由来となっています。フルニエ歯の症状フルニエ歯は、主に第一大...

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過蓋咬合(カガイコウゴウ)〜ディープバイト

過蓋咬合とは過蓋咬合とは、上下の歯が深く噛み合っている状態です。いやゆるディープバイト(deep bite)と呼ばれる症状で、オーバーバイトがかなり大きくなっています。次に挙げる正常咬合の定義を参考にするとわかりやすいです。正常咬合の定義正常咬合の定義は次の通りです。・上顎前歯が下顎前歯の唇面1/4...

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咬合異常(歯列不正)の種類と症状

咬合異常とは咬合異常とは、上顎と下顎の咬み合わせに異常がある状態です。その原因は、主に上下歯列弓の位置関係や形態の異常にあります。咬合異常の種類咬合異常には、次の6種類があります。・上顎前突・下顎前突・切端咬合・過蓋咬合(ディープバイト)・交叉咬合(クロスバイト)・開咬(オープンバイト)咬合異常の症...

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交叉咬合(コウサコウゴウ)〜クロスバイト

交叉咬合とは交叉咬合とは、上顎歯列弓が下顎歯列弓に対して、右側あるいは左側に偏位している状態です。正中を基準にすると、上下顎の歯列弓が交叉しているように見えるため、交叉咬合と呼ばれています。クロスバイトと呼ばれることもあります。交叉咬合の分類交叉咬合は、交叉している歯列の部位に応じて、次の2つに分類...

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開咬(カイコウ)〜オープンバイト

開咬とは開咬とは、上下顎の小臼歯部から前歯部にかけてが接触していない状態を指します。オープンバイトと呼ばれることもあります。正常に接触および咬合しているのは臼歯部のみとなり、正面から見ると、上下顎間に空隙が見受けられます。ただし、開咬には臼歯部開咬と呼ばれるものもあるため、一般的な開咬を前歯部開咬と...

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上顎前突(ジョウガクゼントツ)の症状と分類

上顎前突とは上顎前突とは、上顎前歯が下顎前歯よりも著しく前方に突出している状態です。いわゆる出っ歯と呼ばれる症状ですね。上下顎前歯の前後的な距離を表わすオーバージェットが7〜8mm以上あるような場合を上顎前突と呼んでいます。7〜8mm以上というのは、厳密な定義ではありませんが目安となる数値といえます...

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下顎前突(カガクゼントツ)の症状と分類

下顎前突とは下顎前突とは、下顎前歯が上顎前歯よりも著しく前方に突出している状態です。一般的には受け口やしゃくれ、反対咬合と呼ばれています。・受け口・しゃくれ・反対咬合上顎前突の原因下顎前突は次のような原因によって生じます。・遺伝的要因(顎骨の形態など)・歯の発育障害・不適切な萌出誘導・口腔習癖(吸指...

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切端咬合(セッタンコウゴウ)の原因と症状

切端咬合とは切端咬合とは、上下顎の前歯部が互いに切縁で接触している状態です。一見すると、綺麗に咬み合っているように見えますが、これは異常な状態です。前歯の切縁同士が接触していると、次第に歯質が擦り減ることになります。場合によっては歯が欠けてしまうこともあるのです。正常な歯列では、上顎の前歯が下顎の前...

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パパニコロウ分類(細胞診)

パパニコロウ分類とは口腔領域の癌では、細胞判定にパパニコロウ分類が用いられることが多いです。この分類では、患部から採取した細胞を擦過してガラスに付着し、パパニコロウ染色させた細胞診標本を用います。次のように、ClassT〜Xに分類することができます。Class評価T正常U良性異型V良・悪のいずれとも...

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中心結節(チュウシンケッセツ)

中心結節とは中心結節とは、小臼歯の咬合面中央部に見られる円錐状または棒状の結節です。発達が進んだ中心結節は、髄室角を内在しているため、破折した際に露髄や歯髄感染を引き起こす危険性がありますので注意が必要です。・小臼歯の咬合面中央部に見られる円錐、棒状の結節・破折した際に露髄や歯髄感染のリスクあり中心...

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ピンク歯

ピンク歯とはピンク歯とは、歯冠や歯根が桃色がかって見える病態で、歯髄血管の破綻や赤血球の溶血により、ヘモグロビンが象牙細管に浸透することで現れます。ピンク歯は、窒息死や溺死、あるいは死後に頭部顔面が下向きで湿潤環境下に置かれた場合に発生することがあります。つまり、死後変化の一種と考えられています。・...

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口角炎・口角びらん・口角潰瘍

口角炎とは口角炎とは、口角部の片側あるいは両側に生じる炎症で、びらんや潰瘍を形成することもある病変です。そのため口角炎は、口角びらんや口角潰瘍と呼ばれることもあります。また、口角炎は出血しやすく、痂皮(かさぶた)が生じることも珍しくはありません。・口角部に生じる炎症・びらんや潰瘍を形成・出血と痂皮を...

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黄色環(カドミウムリング)

黄色環(カドミウムリング)とは黄色環(カドミウムリング)とは、カドミウムの過剰摂取によって生じる環状の変色です。変色は歯頚部に現れ、黄色を呈します。これは、歯の石灰化期にカドミウムが血行性に作用した結果です。・カドミウムの過剰摂取が原因・歯頚部に環状に現れる黄色の変色・石灰化期にカドミウムが血行性に...

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エプーリス

エプーリスとはエプーリスとは、歯間乳頭部歯肉に生じる有茎性の腫瘤状増殖物です。歯肉腫(シニクシュ)と呼ばれることもあります。エプーリスの特徴エプーリスの多くは、限局性反応性増殖物で、本当の意味での腫瘍ではありません。発育は緩慢で、腫瘤の増大に伴い、歯槽骨が圧迫吸収され、歯の傾斜、離開、動揺をきたすこ...

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フェネストレーション

フェネストレーションとはフェネストレーションとは、歯槽骨の皮質骨にみられる骨欠損です。歯根相当部の皮質骨が部分的に欠損し、窓が開いたように歯根が一部露出している状態を指します。歯槽骨の「開窓(かいそう)」と呼ばれることもあります。・歯槽骨の皮質骨にみられる骨欠損・窓が開いたように歯根が一部露出してい...

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エナメル真珠・エナメル滴

エナメル真珠とはエナメル真珠とは、歯根部にみられる半球形や半卵円形のエナメル質の塊です。エナメル突起の延長上に形成され、エナメル滴と呼ばれることもあります。・歯根部にみられる半球形や半卵円形のエナメル質の塊・エナメル突起の延長上に形成・エナメル滴(別名)エナメル真珠の好発部位上顎第三大臼歯に最も多く...

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化生(カセイ)

化生とは・分化・成熟した細胞・組織が機能や形態の異なる別の細胞・組織に変化・胚葉をまたがって化生をきたすことはない・再生増殖細胞の分化異常化生とは、すでに分化・成熟した細胞・組織が、機能や形態の異なる別の細胞・組織に変化することです。ただし、胚葉をまたがって化生をきたすようなことはありません。つまり...

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