歯科国試過去問 94D-67
歯のフッ素症で誤っているものはどれか。
a. 幼児期のフッ素過剰摂取が原因である。
b. エナメル芽が細胞が阻害される。
c. 左右対称に発生する。
d. 乳歯に好発する。
e. 地域性が見られる。
*解答はページの一番下に掲載しています。
乳歯の石灰化期と歯のフッ素症
乳歯の石灰化開始期
乳歯は、胎生期に石灰化が開始されます。
ですから、母体がフッ素を過剰に摂取すると、乳歯がフッ素症を発症するように思えますが、多くの場合、そうはなりません。
なぜなら胎生期には、胎盤という素晴らしい組織が胎児を守っているからです。
例え母体が過剰にフッ素を摂取したとしても、胎盤が上手くブロックしてくれます。
乳児の食事は母乳やミルクが主体
では出生後、まだ乳歯の発育が完了していない時期に、フッ素を過剰摂取したらどうなるのでしょうか。
もちろん、乳児に対して、故意にフッ素を過剰摂取させるようなことがあれば、乳歯がフッ素症にかかることもあるでしょう。
けれども、乳児の食事は主に母乳とミルクであり、フッ素を過剰摂取するようなことはまずありません。
そのため、乳歯に歯のフッ素症が現れることもまずないといえます。
解答
a ○
b ○
c ○
d ×
e ○
補足
・永久歯のエナメル質は幼児期に石灰化が起こる
・エナメル芽細胞は生体の中で最もフッ素に敏感
・左右対称に位置している歯の石灰化期は同じ
・地域によって飲料水に含まれるフッ素の量が違う