歯科国試過去問 101B-118
口臭物質と糖尿病で関連が深いのはどれか。
a. アセトン
b. 硫化水素
c. インドール
d. メチルメルカプタン
e. ジメチルサルファイド
*解答はページの一番下に掲載しています。
口臭の原因は、次の5つを挙げることができます。
・自浄作用の低下
・口腔清掃不良
・舌苔
・口腔内疾患
・全身疾患
こうした環境が整うと、口腔内には様々な口臭物質が発生していきます。
中でも主要な口臭原因物質となっているのが、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドです。
どれも硫黄分子が含まれており、揮発性硫化物とも呼ばれています。
揮発性硫化物
・硫化水素
・メチルメルカプタン
・ジメチルサルファイド
揮発性硫化物は、口腔内に生息している嫌気性細菌が唾液や食べカスなどに含まれるアミノ酸を分解する過程で発生します。
舌苔や口腔内疾患(辺縁性歯周炎)では、特に発生しやすくなっています。
糖尿病を発症すると、アセトンと呼ばれる代謝産物が増加します。
アセトンは揮発性物質ですので、それが呼気に混入すると、口臭となって独特の臭いを発するようになります。
一般的にはアセトン臭と呼ばれるもので、柿が腐った際に発する甘酸っぱい臭いに似ています。
糖尿病では、糖をエネルギー源として利用しにくくなるため、脂質で代替することが多くなります。
脂質を分解する過程でアセトンが生じ、血液中にも溶け込んでいくのです。
それが呼気へと現れ、口臭を生み出します。
・糖ではなく脂質をエネルギー源として利用
・脂質の分解でアセトンが発生
実際、糖尿病の検査で、このアセトン臭を調べるものがあります。
アセトン測定器を用いて、非常に簡便に検査をすることが可能です。
指先から採血する従来の検査と比べ、体への負担も軽減されます。
解答
a ○
b ×
c ×
d ×
e ×
補足
・インドールは、感染根管治療の際に確認できる腐敗臭です。歯髄のタンパク質が分解あるいは腐敗した際に生じるものです。