歯科国試過去問 103C-79
学校歯科保健の歯科健康診断でCOと判定するのはどれか。(3つ)
a. 歯頚部の知覚過敏
b. 裂溝部エナメル質の実質欠損
c. 小窩裂溝部に到達する暗褐色の着色
d. 歯頚部平滑面エナメル質の脱灰を疑わせる白濁
e. 隣接面エナメル質に透過性に認められる暗黒色の変色
*解答はページの一番下に掲載しています。
エナメル質の軟化や実質欠損の有無がポイント
CO(シーオー)とは、Caries Observation の略称で、日本語では要観察歯といいます。
初期のう蝕が発生している状態ですが、実質欠損やエナメル質の軟化が認められない症例に該当します。
平滑面にエナメル質の白濁が見られたり、褐色裂溝が認められるという特徴があります。
これらは典型的な初期う蝕の症状です。
・実質欠損やエナメル質の軟化が認められない
・平滑面や小窩裂溝部に白濁や変色が認められる
・COは初期う蝕
日本学校歯科医師会が定めているCOの厳密な定義は次の通りです。
主として視診にてう窩は認められないが、う蝕の初期症状を疑わしめる所見を有するもの。
このような歯は経過観察を要するものとして、要観察歯とし、略記号のCOを用いる。
(日本学校歯科医師会)
日本学校歯科医師会では、さらに具体的に要観察歯の検出基準を次のように定めています。
・小窩裂溝において、エナメル質の実質欠損が認められないが、褐色裂溝等が認められるもの。
・平滑面において、脱灰を疑わしめる白濁や褐色斑等が認められるが、エナメル質の実質欠損(う窩)の確認が明らかでないもの
・精密検査を要するう蝕様病変のあるもの(特に隣接面)。
(日本学校歯科医師会)
専門的な言葉が多用されており、少しわかりにくいかもしれませんが、、要はエナメル質が欠けたり、軟らかくなっておらず、単に変色や着色が起こっている病変に対して、COという言葉が用いられています。
ただ、たばこのヤニやコーヒーなどの着色性物質による着色とは区別しなければなりません。
解答
a ×
b ×
c ○
d ○
e ○
補足
a → 知覚過敏はCOと判定されることはありません。
b → 裂溝部エナメル質に実質欠損がある場合は、COではなくCとなります。