先天性梅毒による歯の形成不全(フルニエ歯・ハッチンソン歯)
先天性梅毒とは
先天性梅毒は、胎児期に母体が梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)に感染することで発症する病気です。
いわゆる「胎児病」と呼ばれるものの一種です。
出生時に症状が現れるものを新生児型、7〜8歳の青年期に症状が現れるものを晩期型といいます。
・母体の梅毒トレポネーマ感染が原因
・新生児型と晩期型の2種類
歯の形成不全の種類と部位
先天性梅毒の影響は、歯胚に直接及びます。
その結果として、歯の形成不全が生じるのです。
前歯部ではハッチンソン歯、臼歯部ではフルニエ歯(ムーン歯)という形で、症状が現れます。
それぞれの個別ページでは、歯の特徴や病理組織像などについても詳しく解説しています。
ちなみにハッチンソン歯は、先天性梅毒にみられるハッチンソンの3徴候の1つです。
残りの2つも合わせて記載しておきます。
・ハッチンソン歯
・実質性角膜炎
・内耳性聾
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