歯根分離法の適応と術式
歯根分離法とは
歯根分離法とは、根分岐部病変に適用される治療法です。
ルートセパレーションとも呼ばれています。
分岐部を近遠心的に切断することで、清掃性を高めます。
分離された歯には、歯冠補綴が施され、清掃性の高いスペースが確保されるのです。
大雑把に言えば、1本の大臼歯を2本の小臼歯に分離するのが歯根分離法です。
歯根や歯槽骨が健康でなければ、行うことが難しいです。
歯根分離法の適応
歯根分離法は、基本的に下顎大臼歯の貫通型分岐部病変に適用されます。
Lindheの分類で言えば、3度の状態で適用されることになります。
ただし、ケースによってはプローブが完全に貫通していなくても適用されることがあります。
つまり、Lindheの分類の2度、あるいはGlickmanの分類の2級です。
・Lindheの分類 3度
・Lindheの分類 2度(重症例)
・Glickmanの分類 2級(重症例)
いずれにせよ、骨植が良い状態でなければ適用できません。
骨植とは
骨植とは、歯根が歯槽骨に埋まっている状態を指します。
ですので「骨植が良い」というのは、歯槽骨がしっかりしていて、その中に歯根がきちんと埋まっているということです。
要は、歯根分離といった大きな処置を施しても、抜け落ちてしまわないような状態を意味しています。
歯根分離法の術式
歯根分離法の術式は、生活歯と失活歯で異なります。
生活歯のケースでは、歯根分離法を行う前に、麻酔抜髄法を施すことになります。
失活歯のケースでは、必要に応じて感染根管治療を行います。
また、術前と術後にフラップ手術を併用することが望ましいです。
そして、全ての処置が終わった後に、歯冠補綴を行います。
適切な形態を得ることができれば、比較的予後が良好な治療法と言えます。
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