慢性増殖性歯髄炎の原因と症状
慢性増殖性歯髄炎とは
慢性増殖性歯髄炎とは、慢性開放性歯髄炎の一種です。
歯髄炎が慢性化して、露出したう窩から肉芽化した歯髄組織がはみ出すため、その症状を肉眼で確認できることもあります。
これを外向性のポリープといい、歯髄息肉(しずいそくにく)という名称で呼ばれることもあります。
若年者のように、生活力が旺盛な歯髄に現れることが多いです。
具体的には、乳歯や幼若永久歯の歯髄に頻発し、生活力が衰えている永久歯では、慢性潰瘍性歯髄炎へ移行することが多いです。
慢性増殖性歯髄炎の原因
慢性増殖性歯髄炎の原因は、う蝕や外傷です。
これらの外来刺激が慢性的に露髄面に作用することで、歯髄の増殖を起こします。
慢性増殖性歯髄炎の症状
慢性増殖性歯髄炎の症状は、視診や触診で確認できるケースがあります。
う窩が大きければ、その中に暗赤色の息肉(そくにく)が見られることでしょう。
息肉(そくにく)とは
ちなみに、息肉(そくにく)というのは、ポリープ状に増殖した肉芽性の軟組織を意味しています。
口腔内に生じる息肉には、歯髄息肉と歯肉息肉があります。
歯髄息肉は、歯髄組織が増殖したものです。
歯肉息肉は、歯肉組織が増殖したものです。
それでは、慢性増殖性歯髄炎のその他の症状についても見ていきましょう。
以下の通り、疼痛が少ないのが特徴となっています。
自発痛
なし
誘発痛
機械的刺激により疼痛が生じる
(出血を伴うこともある)
打診痛
なし
電気診
閾値が上昇する
慢性増殖性歯髄炎の治療法と経過
慢性増殖性歯髄炎の治療は、抜髄か生切です。
特に、若年者の場合は、歯根部歯髄を残す治療法がとられることがあります。
治療せずに放置しておくと、歯髄壊死や歯髄壊疽へと移行していきます。