歯の萌出のメカニズム
歯槽骨の中に埋まっている歯は、どういったメカニズムで萌出していくのでしょうか。
そこには主に、3つの力が働いているとお考え下さい。
歯根膜線維が歯を引っ張り上げる
歯根膜線維は、歯根にあるセメント質と固有歯槽骨とを結合しています。
歯と骨をつなぐ役割を果たしているのです。
ですから、歯の根元に歯根膜線維が形成されていくと、歯の牽引力として働くようになります。
つまり、歯を正常な位置へと移動させる力が生じるのです。
形成された歯槽骨が歯を押し上げる
歯根の形成端には、歯槽骨が形成されていきます。
歯の根っこが形成されるにつれて、その土台となる歯槽骨も同様に形成されていくのです。
すると、根元が底上げされていくため、自ずと歯も押し上げられていく、という現象が起こります。
これが萌出力としても作用するのです。
歯槽骨が吸収され萌出路が確保される
歯冠側では、歯槽骨の吸収が起こります。
吸収される場所は、歯が萌出する方向と一致しています。
ですので、骨吸収が進行していくにつれて、萌出路が確保され、歯が上昇していくのをガイドしていく作用をもたらすのです。
つまり、萌出力は以下の3つの力によって成り立っていると言えます。
歯根膜線維の形成
歯根形成端における歯槽骨の形成
歯冠周囲の歯槽骨吸収
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