レチウス線条の意味と特徴
レチウス線条とは
レチウス線条とは、エナメル質の研磨標本を、光学顕微鏡で観察した際に見られる多数の並行に走る褐色線条です。
エナメル小柱の横紋が、周期的に石灰化不良に陥いることで出現します。
そのため、横紋とともにエナメル質の成長線とみなされています。
・エナメル質の研磨標本で並行に走る多数の褐色線条
・エナメル小柱の横紋が周期的に石灰化不良に陥った部位
・成長線の一種
そんなレチウス線条は、レッチウス条や並行条と呼ばれることもあります。
レチウス線条の特徴
乳歯と第一大臼歯に見られる新産線(シンザンセン)は、出生時の環境変化に対して出現したレチウス線条に相当します。
・新産線は出生時に現れたレチウス線条
個体の識別に利用できる
レチウス線条は、同一個体であればすべての歯のエナメル質に同様の模様を呈するため、個体の識別に利用できます。
レチウス線条の走行
縦断標本
縦断標本では、咬頭頂を挟んでエナメル象牙境から始まり、反対側のエナメル象牙境に終わります。
歯頚部近くの線条は、エナメル象牙境に始まって、歯の表面に終わります。
横断標本
横断標本では、歯髄腔を中心に同心円状に排列しています。
したがって、咬頭頂付近では、ドーム状を呈しています。
レチウス線条 関連ページ
- 歯の萌出のメカニズム
- 象牙質橋(デンティンブリッジ)の構造
- 第二象牙質と第三象牙質の違い
- 第二象牙質(生理的第二象牙質)
- 第三象牙質(修復象牙質・補綴象牙質・病的第二象牙質)
- 象牙質粒(ゾウゲシツリュウ)
- 不整象牙質(不正象牙質)
- マラッセの上皮遺残(ジョウヒイザン)
- 先天性ナスミス膜(歯小皮)
- ハウシップ窩
- 破歯細胞(ハシサイボウ)
- ホスホホリン(象牙質リンタンパク質)
- 歯乳頭(シニュウトウ)
- シャーピー線維
- 管周象牙質(カンシュウゾウゲシツ)
- 管間象牙質(カンカンゾウゲシツ)
- オキシタラン線維
- 副根管(フクコンカン)
- 樋状根(トイジョウコン)
- 髄管(ズイカン)
- 根尖分岐(コンセンブンキ)
- オーエンの外形線
- 象牙質歯髄複合体
- 咀嚼粘膜(ソシャクネンマク)
- メッケル軟骨
- 星状網(セイジョウモウ)
- エナメル髄
- ヘルトヴィッヒ上皮鞘
- トームス突起
- トームス線維
- トームス顆粒層
- 外套象牙質(ガイトウゾウゲシツ)
- 無小柱エナメル質