アーチレングスディスクレパンシーの求め方
アーチレングスディスクレパンシー(arch length discrepancy)とは、歯列弓の大きさと歯の大きさの不調和を指します。
私たちの歯は、顎の骨という決まったスペースに、決まった本数だけ並べる必要があります。
これがもし、歯列弓が小さすぎたり、歯のサイズが大きすぎたりすると、28本(智歯を含めると32本)の歯が収まり切らなくなりますよね。
その結果生じるのが「叢生(discrepancy)」であったり、「八重歯」であったりするのです。
ですので、以下の2つが適切でなければ、歯列不正を招くこととなります。
・歯列弓の大きさ
・歯の大きさ
この2つをさらに専門的な言葉に置き換えると、以下のようになります。
アベイラブルアーチレングス(abailable arch length)
両側第一大臼歯近心面から前方の歯槽部に、正常な排列として利用できる歯列弓周長
→ 歯列弓の大きさに相当
リクワイアドアーチレングス(required arch length)
両側第二小臼歯から前方の10歯の歯冠幅径の総和
→ 歯の大きさに相当
アーチレングスディスクレパンシーの値は、以下の式の通り、アベイラブルアーチレングスとリクワイアドアーチレングスの差によって求めることができます。
アーチレングスディスクレパンシー =
アベイラブルアーチレングス − リクワイアドアーチレングス
その結果、値がマイナスであればスペース不足となるため、叢生であることが多いです。
この場合、歯列を拡大するなり、スペースを確保する為に抜歯を行うこともあります。
一方、値がプラスであればスペースが余っていることになります。
ですので、空隙歯列となります。
つまり、アーチレングスディスクレパンシーというのは、プラスだから良いということにはならないのです。
正常な歯列を獲得するためには、歯と歯列弓の大きさが適切であることが重要なのです。
値がマイナス → 叢生
値がプラス → 空隙歯列
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