リップバンパーの使用目的と副作用
リップバンパー(唇緩衝装置)
リップバンパーとは、唇緩衝装置(シンカンショウソウチ)とも呼ばれ、主に唇からの圧力をコントロールする際に用いられます。
唇からの圧力を口唇圧といい、この力が強すぎても弱過ぎても、歯列に悪影響を及ぼします。
ですので、異常な口唇圧がある場合は、リップバンパーによって取り除きます。
あるいは口唇圧を上手く利用して、綺麗に歯を並べることも可能です。
その他、歯列不正を治すための矯正装置として、様々な使用方法があります。
まずはその使用目的について、以下に記載しておきます。
・悪習癖の排除(咬唇癖・吸唇癖)
・下唇の異常機能圧排除
・口唇圧を利用した臼歯部の整直(遠心移動)
・下顎前歯の唇側移動
・加強固定
・保隙
リップバンパーの使用方法
咬唇癖などの悪習癖を排除する際には、リップバンパーを前方へ設置します。
すると、物理的に唇を咬みにくくなるのです。
口唇圧を利用した臼歯部の遠心移動では、リップバンパーを歯頚部下へ設置します。
口唇圧が臼歯部へと伝わっていき、徐々に遠心移動していきます。
下顎前歯の唇側移動は、リップバンパーを唇側面よりに設置することで可能となります。
それから、ヘッドギアで上顎歯列の矯正を行っている場合は、ヘッドギアを取り外している時に、後戻り防止装置としてリップバンパーを装着することがあります。
リップバンパーの副作用
リップバンパーは、不適切な方法で使用すると、次のような副作用を起こすことがあります。
・臼歯部の過度な遠心傾斜
・下唇内面に潰瘍を形成
また、第二大臼歯の埋伏症例では適応できなかったり、オトガイ筋が弱いと、遠心移動の効果が得られにくいといった欠点もあります。
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