歯の移動様式
矯正治療における歯の移動様式は、次の6つを挙げることができます。
歯は加えられる力の種類や方向によって、異なる移動様式を見せます。
詳細については、個別ページをご覧下さい。
歯の移動様式には色々な種類がありますが、それぞれ難易度が異なります。
そこでStonerが歯の移動様式を、移動が容易な順番に並べてくれました。
挺出<傾斜<歯体<圧下
やはり、埋まっているものを引き抜こうとする挺出が最も容易となっています。
次に、斜めに倒す傾斜、歯をそのまま平行移動させる歯体の順番です。
そして、最も困難なのが圧下です。
元々埋まっているものを、さらに深く沈めるのは、イメージ的にも難しそうなのがわかるかと思います。
とりわけ、下顎大臼歯を圧下させることは難しいので、臨床の現場ではほぼ不可能であると考える方も多いです。
ちなみにStonerは、矯正力を加える上で、4つのDに注目するようにとおっしゃっています。
これを「Stonerの4D」と言います。
Degree of force → 大きさ
Duration of force → 期間
Distrbution of force → 分布
Direction of force → 方向
期間というのは、持続的な力と断続的な力の違いです。
矯正力の作用時間のお話ですね。
分布というのは、歯根膜の中において、どのように矯正力が分布しているのかを意味します。
歯によっても移動のしやすさが異なる
歯は、歯根の部分が堅い歯槽骨に埋まっています。
ですから、歯根の表面積が大きかったり、歯根が長い歯というのは、移動しにくい傾向があります。
この点は差動矯正力(サドウキョウセイリョク)とも関わってきます。
それから側方歯群に関しては、遠心方向に動かすよりも近心方向に動かす方が容易です。
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