スミヤー層
スミヤー層とは
スミヤー層とは、象牙質を回転切削した際に形成される「傷」のようなものです。
本来、象牙質は象牙細管が整然と並んでいますが、そこに回転切削器具をあてると、表面がボロボロになってしまいます。
その結果、象牙細管は封鎖されます。
象牙細管の中には、切削片や細菌、コラーゲンが2〜5μmほど入り込んでいます。
・切削片
・細菌
・コラーゲン
また、象牙質の表面にもこうした物質が固着され、スミヤー層が形成されていきます。
スミヤー層全体の厚さはおよそ10μm以下となっています。
そのうち、象牙細管にまで入り込んでいるものが2〜5μmで、これをスミヤープラグと呼んでいます。
スミヤー層は接着操作の邪魔になる
このように、沢山の異物が象牙質の表面に固着していると、接着操作に支障をきたしてしまいます。
ですから、保存修復を行う上で、スミヤー層は除去する必要があるのです。
ただ、スミヤー層は水で洗ったり、オキシドール(3%過酸化水素水)で洗浄しても除去することができません。
そこで用いられるのがリン酸、クエン酸、マレイン酸、EDTAなどです。
つまり、酸処理を施すことによって、スミヤー層を除去することができるのです。
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