ラバーダム防湿の手順と禁忌について
ラバーダム防湿法とは、患歯をゴム製のシートで口腔から隔離する方法で、歯科治療を無菌的に行う上で有用な防湿法の1種といえます。
唾液の施術野への侵入を防ぎ、口腔内への器具の落下を防止することも可能となります。
・患歯をゴム製のシートで口腔から隔離する方法
・唾液の侵入、器具の落下を防止
ラバーダム防湿の手順は以下の通りです。
0.ラバーダム防湿の目的を説明する
1.クランプの試適、適合を行う
2.ラバーダムパンチを使ってラバーダムシートに穴を開ける
3.クランプを穴にはめる(無翼は弓部、有翼は翼突起)
4.クランプフォーセップスを逆手に持ち、患歯にクランプを装着する
5.ラバーダムフレームを装着する(必要に応じて排唾管を口腔内に挿入)
6.フレームにラバーダムシートを装着する
ラバーダム防湿法では、次の8つの器具を使用します。
@ラバーダムシート
Aラバーダムフレーム
Bラバーダムパンチ
Cラバーダムクランプ
Dクランプフォーセップス
E平頭充填器
Fデンタルフロス
Gハサミ
デンタルフロスをクランプに結紮しておくことで、クランプが歯から外れた際の誤嚥防止策となります。
ハサミは結紮したフロスを治療後に除去する際に使用します。
以下に挙げる症例では、ラバーダム防湿が禁忌、もしくは困難となります。
1.上気道の異常によって鼻呼吸ができない症例
2.固定式の矯正装置が装着されている症例
3.萌出途中や萌出直後の歯
4.天然ゴムに対するアレルギーがある症例
1.上気道の異常によって鼻呼吸ができない症例
ウイルス性の上気道炎や、先天性の上気道狭窄症などでは、鼻呼吸をすることが困難となります。
そこで口呼吸を可能にするために、ラバーダムシートで口腔全てを覆わないように配慮します。
具体的には、ラバーの装着位置に配慮したり、ラバーの一部に呼吸をするための穴を開けたりすることで対処します。
2.固定式の矯正装置が装着されている症例
固定式の装置が装着されている症例では、治療を行う際に一時的に矯正装置を外すことで対処することが可能となります。
3.萌出途中や萌出直後の歯
萌出途中や萌出直後の歯に関しては、クランプを設置できないため、対処することは非常に難しいといえます。
そのため、防湿が不要な処置に切り替えることもひとつの対処法といえます。
4.天然ゴムに対するアレルギーがある症例
天然ゴムに対するアレルギーがある場合は、ノンラテックスのラバーダムシートを用いることで対処します。
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