硬組織(歯)の構造
歯の組成
歯という硬組織は、エナメル質、象牙質、セメント質によって構成されています。
それぞれ無機質と有機質、それから水分が以下のような割合で存在しています。
無機質 | 有機質 | 水分 | |
---|---|---|---|
エナメル質 | 95% | 2% | 3% |
象牙質 | 70% | 18% | 12% |
セメント質 | 65% | 23% | 12% |
エナメル質の構造
上記の通り、エナメル質はほぼ無機質で構成されています。
そして、その大半はハイドロキシアパタイトと呼ばれる物質によって占められています。
エナメル質には、エナメル小柱という基本構造があり、これらが規則的に並ぶことで全体を構成します。
小柱と小柱の間には、小柱鞘という組織が存在しており、これは有機物質によって構成されています。
ちなみに、エナメル質の中には、エナメル叢やエナメル葉と呼ばれる組織を確認することができます。
これらは、エナメル質がきちんと石灰化されなかったために生じる組織なので、構造的な欠陥と捉えることもできます。
そのため、う蝕はエナメル叢やエナメル葉を通り道にして、より広い範囲に進行しようとするのです。
象牙質の構造
象牙質の大半は、ハイドロキシアパタイトを主成分とする無機質によって構成されています。
ただ、占める割合としてはエナメル質ほど高くはなく、70%程度に留まります。
その分、有機質の割合が多くなっており、特にコラーゲンを多く含む組織と言えます。
象牙質には、象牙細管と呼ばれる構造が無数に存在しています。
象牙細管の周りには、管周象牙質(カンシュウゾウゲシツ)があり、その外側には管間象牙質(カンカンゾウゲシツ)が存在しています。
象牙細管の中には、象牙芽細胞の突起が存在しており、外から受けた刺激を歯髄に伝える働きを担っています。
この仕組みについては、動水力学説のページをご覧下さい。
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