酸蝕症(サンショクショウ)の原因と治療法
酸蝕症とは、酸の作用によって、歯質の表面が徐々に溶解していく病気です。
これだけ聞くと、虫歯と変わりありませんが、酸蝕症には細菌が関与していないという特徴があります。
ですから、歯を溶解させるのは、う蝕原因菌が産生した酸ではなく、飲み物や食べ物に含まれる酸であるといえます。
・細菌が関与していない
・食品に含まれる酸で歯が脱灰する
酸蝕症の原因は、主に次の3つに分けられます。
・酸性食品の多量摂取
・習慣性のおう吐による胃酸の影響
・日常的な酸性ガスの吸引
これらの原因によって損傷を受けた歯を「酸蝕歯(サンショクシ)」と呼びます。
酸性食品の多量摂取
酸性食品の代表は、清涼飲料水やスポーツドリンクです。
どちらも多くの方が日常的に口にしている食品です。
その他、酢の物やワインなども酸蝕症の原因となりやすいです。
・清涼飲料水
・ワイン
・酢の物
習慣性のおう吐による胃酸の影響
習慣性のおう吐に、逆流性食道炎や拒食症などに由来しています。
特に、人為的におう吐を誘発する行為は、歯だけでなく、全身の健康にも悪影響が大きいため、できるだけ控えるようにしましょう。
胃液はとても強い酸ですの、歯を溶かすことはもちろん、食道や口腔粘膜に損傷を与えることもあります。
・逆流性食道炎
・拒食症
日常的な酸性ガスの吸引
日常的な酸性ガスの吸引というのは、ある種の職業の方に限定されています。
ガラス細工やメッキを行う向上で勤めている場合、日常的に無機酸のガスを吸うことがあります。
・ガラス工やメッキ工の職業病
酸蝕症の治療では、まず病気を発症するに至った原因を究明することが大切です。
酸蝕症は、生活習慣病の一種とも考えられていますので、まずはその習慣を取り除かなければ根治させるのは難しいといえます。
その上で、歯科治療では次のような修復を行います。
・コンポジットレジン修復
・ラミネートベニア修復
酸蝕症による欠損部が部分的な場合は、コンポジットレジンで修復することが多いです。
一方、欠損部が広範囲に及ぶ場合は、ラミネートベニア修復で対応することになります。
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