ブラック(G.V.Black)による窩洞の分類
窩洞の分類
窩洞の分類には、G.V.Blackが提唱した分類法が用いられます。
T級窩洞
小窩裂溝に位置する窩洞で
・臼歯の咬合面
・臼歯の頬側及び舌側における咬合面2/3
・前歯舌面
の小窩に限局する窩洞
U級窩洞
臼歯の隣接面における窩洞
V級窩洞
前歯の隣接面窩洞で切縁隅角を含まない窩洞
W級窩洞
前歯の隣接面窩洞で切縁隅角を含む窩洞
X級窩洞
歯冠の唇側、頬側、舌側の歯頚側1/3における窩洞
ちなみに、以下の窩洞は、ブラックの分類には含まれません。
・全部冠窩洞
・くさび状欠損窩洞
・根面う蝕窩洞
窩洞形態の5条件
ではここで、同じくブラックが提唱した窩洞形態の5条件についても覚えてしまいましょう。
適切な窩洞形態
十分な保持形態
十分な抵抗形態
必要な便宜形態
正しい窩縁形態
ブラックさんってどんな人?
ブラックさんの本名は、グリーン・バーディマン・ブラック(G.V.Black)です。
アメリカの歯科医師で、現代歯学の礎を築いた一人で、とっても偉大な方なのです。
歯科用アマルガムや歯のフッ素症について研究された方で、数多くの実績を残しています。
何より、保存修復では基本中の基本とも呼べる、窩洞の分類と窩洞形態の5条件を提唱しており、歯科学を学ぶもので知らないものはいません。
ただ、歯科用アマルガムの最適な配合に関する研究は、結局無駄になってしまいましたね。
参考文献
『保存修復学 21』 第四版 永末書店
ブラック(G.V.Black)の分類 関連ページ
- ホワイトマージンとコントラクションギャップ
- う蝕の診査法
- 硬組織(歯)の構造
- くさび状欠損(WSD)
- 歯の咬耗と摩耗
- 歯の変色と着色
- スミヤー層
- 酸蝕症・酸蝕歯の原因と治療法
- 根面う蝕の原因と症状
- ウイトロカイト(β-TCP)
- イスムス(窩洞狭窄部)
- エアブレイシブ法
- ラバーダム防湿〜手順と禁忌
- ブルシャイト
- ウェットボンディング法
- 歯液(シエキ)〜象牙細管内液
- 透明象牙質(トウメイゾウゲシツ)
- バットジョイント
- プランジャーカスプ
- ラシュコフの神経叢
- 6級窩洞
- チャネルスライス式〜隣接面形成法
- ナノリーケージ
- 無翼型クランプ
- ラインアングル
- オーバーカントゥア
- パーコレーション
- IPC法
- スピルウェイ
- トッフルマイヤー型リテーナー
- レジンコーティング法
- レジンタグ
- レジンインプレグネーション法
- 傍骨膜注射法(ボウコツマクチュウシャホウ)
- 表面麻酔法(ヒョウメンマスイホウ)
- ガムリトラクター
- ランパントカリエス
- Feinmanの分類
- ミニマルインターベンション
- アイボリーのセパレーター
- エリオットのセパレーター
- ART(非侵襲的修復治療)
- う蝕円錐(ウショクエンスイ)
- リング状マトリックスリテーナー
- 象牙質知覚過敏(ゾウゲシツチカクカビン)
- 穿通性う蝕(センツウセイウショク)
- 穿下性う蝕(センカセイウショク)
- くさび応力検査
- 歯髄鎮静法(歯髄鎮痛消炎療法)
- 透照診(トウショウシン)
- 温度診(オンドシン)
- アンレー
- 外側性窩洞(ガイソクセイカドウ)
- 外側性修復物
- 髄側軸側線角(ズイソクジクソクセンカク)
- 裏層(リソウ)