ヘルパンギーナ(疱疹性アンギーナ)
ヘルパンギーナ(herpangina)は、ウイルスに感染することにより発症する疱疹性(ホウシンセイ)の病気です。
そのため、疱疹性アンギーナと呼ばれることもあり、水疱性の湿疹が現れるという特徴があります。
ヘルパンギーナは手足口病と類似した点が非常に多いです。
「手足口病とヘルパンギーナの違い」については、個別ページで詳しく解説しています。
ヘルパンギーナの原因は、以下のウイルスへの感染です。
・コクサッキーウイルス(A1〜10)
・エンテロウイルス各種
コクサッキーウイルスに関しては、とりわけコクサッキーウイルスA4への感染が原因となることが多いです。
ちなみに、エンテロウイルスの「エンテロ」とは、腸管を意味する言葉です。
ヘルパンギーナの感染経路は、次の通りです。
・飛沫感染
・接触感染
とりわけ、感染者の糞便には注意が必要となります。
糞便には、沢山のウイルスが含まれているのです。
ヘルパンギーナは、夏から秋にかけて1〜4歳の幼児が感染しやすい傾向にあります。
口腔内の症状は、思い口腔後方部に現れます。
具体的な部位は、次の通りです。
・軟口蓋
・口蓋垂
・口蓋扁桃(左右対称な小水疱)
この中で特徴的なのは、口蓋扁桃に現れる「左右対称な小水疱」です。
その他、ヘルパンギーナには、発熱や嚥下痛といった症状も現れます。
・発熱(38℃以上)
・嚥下痛
ヘルパンギーナの治療は、基本的に対症療法となります。
発熱には解熱薬を用い、痛みが酷ければ鎮痛薬などが処方されます。
4〜7日程度で粘膜症状は治癒しますので、あまり長引くことはありません。
ただし、感染者の便からは、2〜4週間ほど、ウイルスが排泄され続けますので注意が必要です。
感染者の便に触れるような機会があれば、ウイルスがうつる可能性があります。
ヘルパンギーナの原因と症状 関連ページ
- 炎症の5徴候
- 咬筋肥大症の原因と治療法
- シェーグレン症候群の原因と症状
- シェーグレン症候群の診断基準と治療法
- 前癌病変(ゼンガンビョウヘン)
- 前癌状態(ゼンガンジョウタイ)
- 前癌病変と前癌状態の違い
- 紅板症の症状と治療法
- 臨床診断名と病理診断名の違い
- 唾液腺の炎症を伴う6疾患
- 巨細胞封入体症の原因と病理
- 手足口病の原因と症状
- エイズ(AIDS)にみられる口腔内病変
- 口腔がん〜発生率・好発年齢
- 口腔がんの原因
- 口腔がんの種類
- TNM分類
- 口腔がんのステージ分類
- エナメル上皮腫の原因と症状
- 悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫・非ホジキンリンパ腫)
- 歯肉がんの症状と治療法
- 頬粘膜癌の症状と治療法
- 口唇癌の症状と治療法
- 口腔底癌の症状と治療法
- 硬口蓋癌の症状と治療法
- 白板症(ハクバンショウ)
- 智歯周囲炎(チシシュウイエン)〜Perico(ペリコ)
- スタビライゼーションスプリント
- ガマ腫(ラヌーラ)
- 静止性骨空洞(セイシセイコツクウドウ)
- 疱疹性歯肉口内炎(ホウシンセイシニクコウナイエン)
- 脈瘤性骨嚢胞(ミャクリュウセイコツノウホウ)
- Ellisの分類(エリスノブンルイ)
- Frey症候群(フライショウコウグン)
- バーニングマウス症候群
- 含歯性嚢胞(ガンシセイノウホウ)
- 外骨症(ガイコツショウ)
- 鼻口蓋管嚢胞(ビコウガイカンノウホウ)
- キュットナー腫瘍(慢性硬化性顎下腺炎)
- 懸垂縫合(ケンスイホウゴウ)
- テトラサイクリン変色歯
- オクルーザルスプリント
- 下顎孔伝達麻酔(カガクコウデンタツマスイ)
- クインケ浮腫
- 黒毛舌(コクモウゼツ)
- プランマー・ビンソン症候群
- 溝状舌(コウジョウゼツ)
- サクソンテスト
- スタージ・ウェーバー症候群
- 軟口蓋挙上装置
- 抜歯窩の治癒過程
- 挺子(テイシ)
- 下顎枝矢状分割術(SSRO)
- 唾石症(ダセキショウ)
- 唾石の摘出法(口内法と口外法)
- 唾疝痛(ダンセンツウ)
- ブランディンヌーン嚢胞
- メルカーソン・ローゼンタール症候群
- 石灰化上皮性歯原性腫瘍
- 歯原性腫瘍(シゲンセイシュヨウ)
- キューンの貧血帯
- オンコサイトーマ
- 歯肉嚢胞(シニクノウホウ)
- エプスタイン真珠
- 筋上皮腫(キンジョウヒシュ)
- キーゾウの無痛領域
- Eagle症候群(茎状突起過長症)
- ガードナー症候群
- 粘膜下口蓋裂(ネンマクカコウガイレツ)
- Calnanの3徴候