前癌状態
前癌状態とは
前癌状態とは、癌になる可能性が普通の組織よりも高まっている状態を指します。
前癌病変ほどは深刻ではありません。
WHOの定義に基づいて表現すると、次のようになります。
癌の危険性が有意に増加した状態
口腔領域の前癌状態
口腔領域の前癌状態には、次のようなものが挙げられます。
それぞれの状態を放置すると、基本的には癌を発症します。
梅毒
間質性舌炎 → 癌化
Plummer-Vinson症候群
上部消化管粘膜委縮 → 癌化
口腔粘膜下線維症
上皮委縮 + 間質乳頭部の線維化 → 癌化
円板状紅斑性狼瘡(DLE)
白赤唇移行部 → 癌化
・女性の下唇に好発する
・紅斑性狼瘡はエリテマトーデス
扁平苔癬
委縮型・びらん型の扁平苔癬 → 癌化
色素性乾皮症
DNA修復欠損、口唇の扁平上皮癌、基底細胞癌
光線口唇炎
紫外線照射に誘発される炎症で慢性型は癌化するリスクあり
表皮水疱症
反復性の水疱びらん → 癌化
先天性異角化症
口腔白板症
前癌性メラノーシス
顔面黒褐色斑 → 悪性黒色腫
口腔領域以外の前癌状態
口腔領域以外の前癌状態には、次のようなものを挙げることができます。
それぞれの症状が悪化すると、下段に記載されたような癌を発症します。
老人性角化症
→ 皮膚癌
胃潰瘍
→ 胃癌
大腸ポリープ
→ 大腸癌
肝硬変
→ 肝癌
乳腺症
→ 乳癌
前癌病変と前癌状態の違いについては、個別ページを参照してください。
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