キュットナー腫瘍の意味と特徴
キュットナー腫瘍とは
キュットナー腫瘍とは、唾液腺炎の中でも線維性組織の増生が著しく、腺体部が硬い腫瘤状病変を指します。
病変は片側性とされていますが、両側性に現れるケースもあります。
そんなキュットナー腫瘍は、キュットナー病や慢性硬化性顎下腺炎と呼ばれることもあります。
・線維性組織の増生が著しく、腺体部が硬い腫瘤状を呈した唾液腺炎
・片側性(稀に両側性)
・キュットナー病、慢性硬化性顎下腺炎(別名)
キュットナー腫瘍の臨床像
臨床的には、無痛性の硬い腫瘤として現れます。
・無痛性の硬い腫瘤
キュットナー腫瘍の特徴
一般的にはキュットナー腫瘍と呼ばれていますが、真の腫瘍ではなく、慢性炎症のために線維性結合組織が増生した病変です。
若い男性に好発し、その多くは唾石による唾液の排出障害が引き起こす非特異的な慢性炎症の終末像といえます。
・真の腫瘍ではない
・線維性結合組織が増生した病変
・若い男性に好発
・唾石による唾液の排出障害が引き起こす非特異的な慢性炎症
キュットナー腫瘍の原因
キュットナー腫瘍の原因は、特殊な感染や薬剤の影響、自己免疫疾患的な機序やIgG4に関連した特発性硬化性病変と考えられています。
・特殊な感染や薬剤の影響
・自己免疫疾患的な機序やIgG4が関連
キュットナー腫瘍の病理組織学像
病理組織学的には、高度に萎縮した腺房が認められます。
膠原繊維を主体とした線維性結合組織に置換され、残存した導管は拡張し、周囲には硝子様変性やリンパ球・形質細胞を主体とした炎症性細胞浸潤が認められます。
・高度に萎縮した腺房
・膠原繊維を主体とした線維性結合組織に置換
・残存した導管は拡張
・病変周囲には硝子様変性やリンパ球・形質細胞を主体とした炎症性細胞浸潤
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