前癌病変と前癌状態の違い
前癌病変の方が癌化しやすい
前癌病変と前癌状態は、とても混同されやすい病態です。
字面もほぼ同じで、異なるのは「状態」と「病変」だけですね。
両者の違いをざっくりと表現すると、前癌病変の方が癌になる確率が高まっているといえます。
前癌病変には、白板症や紅斑症など、癌に移行する一歩手前の症状が現れているからです。
例えば、紅斑症に関しては、病理組織学的には上皮内癌や初期浸潤癌と診断されますので、もう癌になりかけているといえるのです。
一方、前癌状態は、より正常な組織に近いものとお考え下さい。
ただし、前癌状態も症状が進行すれば癌化することに変わりはありません。
前癌病変と前癌状態の定義
ここで、改めて前癌病変と前癌状態の定義を見てみましょう。
WHOの定義に基づいて記載すると、次のようになります。
前癌病変
正常な組織よりも癌化しやすい形態的な変化を起こした組織
前癌状態
癌の危険性が有意に増加した状態
この定義だけでは、具体的にどう違うのかわかりにくいかと思います。
ただ、前癌病変では「形態的変化」が生じているので、既に癌化が始まっていることがわかります。
さらに詳しいことは、前癌病変と前癌状態の個別ページに記載してありますので、そちらをご覧下さい。
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