含歯性嚢胞の意味と特徴
含歯性嚢胞とは
含歯性嚢胞とは、埋伏歯の歯冠部に生じる発育性の歯原性嚢胞です。
・埋伏歯の歯冠部に生じる歯原性嚢胞
・発育性
含歯性嚢胞の好発部位
好発部位は下顎智歯部、上顎犬歯部、埋伏過剰歯です。
・下顎智歯部
・上顎犬歯部
・埋伏過剰歯
含歯性嚢胞の特徴
歯冠の形成が完了した歯胚歯原性上皮に嚢胞化が生じたもので、嚢胞壁は歯冠歯頚部から連続しています。
・歯胚歯原性上皮に嚢胞化が生じたもの
・嚢胞壁は歯冠歯頚部から連続
含歯性嚢胞の病理組織像
含歯性嚢胞は、病理組織学的に2層構造の嚢胞壁を有し、退縮エナメル上皮に連続した非角化重層扁平上皮で裏装されています。
外側は線維性結合組織からなります。
・2層構造の嚢胞壁
・退縮エナメル上皮に連続した非角化重層扁平上皮で裏装
・外側は線維性結合組織
含歯性嚢胞の鑑別診断
含歯性嚢胞では、智歯周囲炎や隣在歯の辺縁性ないし根尖性歯周炎を伴うことが多いです。
そのため、裏装上皮の直下にリンパ球や形質細胞の浸潤を伴う肉芽組織が認められ、歯根嚢胞と同様の組織像を呈することがあります。
そこで必要となるのが、原因歯の歯冠歯頚部に連続する嚢胞壁組織の確認です。
これが歯根嚢胞との鑑別ポイントとなります。
含歯性嚢胞の治療
含歯性嚢胞の治療は、抜歯と嚢胞摘出術です。
・抜歯
・嚢胞摘出術
嚢胞摘出術は、嚢胞の大きさによって以下の2つに分けられます。
嚢胞が大きい場合
Parsch T 法
⇒ 開窓、副腔形成
嚢胞が小さい場合
Parsch U 法
⇒ 摘出(閉鎖創)
含歯性嚢胞(ガンシセイノウホウ) 関連ページ
- 炎症の5徴候
- 咬筋肥大症の原因と治療法
- シェーグレン症候群の原因と症状
- シェーグレン症候群の診断基準と治療法
- 前癌病変(ゼンガンビョウヘン)
- 前癌状態(ゼンガンジョウタイ)
- 前癌病変と前癌状態の違い
- 紅板症の症状と治療法
- 臨床診断名と病理診断名の違い
- 唾液腺の炎症を伴う6疾患
- 巨細胞封入体症の原因と病理
- 手足口病の原因と症状
- ヘルパンギーナの原因と症状
- エイズ(AIDS)にみられる口腔内病変
- 口腔がん〜発生率・好発年齢
- 口腔がんの原因
- 口腔がんの種類
- TNM分類
- 口腔がんのステージ分類
- エナメル上皮腫の原因と症状
- 悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫・非ホジキンリンパ腫)
- 歯肉がんの症状と治療法
- 頬粘膜癌の症状と治療法
- 口唇癌の症状と治療法
- 口腔底癌の症状と治療法
- 硬口蓋癌の症状と治療法
- 白板症(ハクバンショウ)
- 智歯周囲炎(チシシュウイエン)〜Perico(ペリコ)
- スタビライゼーションスプリント
- ガマ腫(ラヌーラ)
- 静止性骨空洞(セイシセイコツクウドウ)
- 疱疹性歯肉口内炎(ホウシンセイシニクコウナイエン)
- 脈瘤性骨嚢胞(ミャクリュウセイコツノウホウ)
- Ellisの分類(エリスノブンルイ)
- Frey症候群(フライショウコウグン)
- バーニングマウス症候群
- 外骨症(ガイコツショウ)
- 鼻口蓋管嚢胞(ビコウガイカンノウホウ)
- キュットナー腫瘍(慢性硬化性顎下腺炎)
- 懸垂縫合(ケンスイホウゴウ)
- テトラサイクリン変色歯
- オクルーザルスプリント
- 下顎孔伝達麻酔(カガクコウデンタツマスイ)
- クインケ浮腫
- 黒毛舌(コクモウゼツ)
- プランマー・ビンソン症候群
- 溝状舌(コウジョウゼツ)
- サクソンテスト
- スタージ・ウェーバー症候群
- 軟口蓋挙上装置
- 抜歯窩の治癒過程
- 挺子(テイシ)
- 下顎枝矢状分割術(SSRO)
- 唾石症(ダセキショウ)
- 唾石の摘出法(口内法と口外法)
- 唾疝痛(ダンセンツウ)
- ブランディンヌーン嚢胞
- メルカーソン・ローゼンタール症候群
- 石灰化上皮性歯原性腫瘍
- 歯原性腫瘍(シゲンセイシュヨウ)
- キューンの貧血帯
- オンコサイトーマ
- 歯肉嚢胞(シニクノウホウ)
- エプスタイン真珠
- 筋上皮腫(キンジョウヒシュ)
- キーゾウの無痛領域
- Eagle症候群(茎状突起過長症)
- ガードナー症候群
- 粘膜下口蓋裂(ネンマクカコウガイレツ)
- Calnanの3徴候