口唇癌の症状と治療法
口唇癌とは、口唇にできる悪性腫瘍です。
日本人には少ない病気で、欧米では好発しています。
発生部位が口唇だけに、早期発見が容易で、腫瘍の発育も緩慢であるため、口腔癌の中では予後が最も良好といえます。
また、口腔癌の中では最も発生頻度が低く、口腔癌全体の1〜2%に留まります。
・日本人に少ない
・腫瘍の発育が緩慢
・口腔癌全体の1〜2%
口唇癌は、50〜70歳代の男性に好発します。
男女比は14:1となっていますので、その差は明らかですね。
・50〜70歳代の男性
・男女比14:1
口唇癌の発生率は、上口唇と下口唇とで以下のような違いがあります。
・上口唇 → 10〜20%
・下口唇 → 80〜90%
上下の口唇とも、左側に腫瘍が発生する傾向が強いです。
口唇癌は、発生初期から硬結が認められ、乳頭状あるいは疣贅性を呈し、進行していくにつれ潰瘍形成を伴います。
腫瘍の発育は緩慢で、その他の組織に転移することも稀です。
・類円形の小硬結
・潰瘍形成
・転移は稀
ただ、上口唇の腫瘍は転移しやすく、転移率は48%にも達します。
下口唇の転移率は14%です。
転移率
・上口唇 → 48%
・下口唇 → 14%
上口唇の発生率が高いのは、下口唇と比べて癌の発育が早いからです。
口唇癌では、高分化型扁平上皮癌が確認されます。
悪性度は低く、転移率も口腔癌の中では最も低いです。
・高分化型扁平上皮癌
口唇癌の治療は、以下のような外科的切除です。
・Abbe-Estlander法
・Benard法
早期発見がしやすいだけではなく、低悪性度で、治療における病変部へのアプローチが容易なため、口腔癌中最も予後が良好となっています。
・早期発見が容易
・低悪性度
・アプローチが容易
・口腔癌中で最も予後が良好
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